2009年10月25日日曜日

身体運動とメンタルトレーニングを組み合わせると化学療法による疲労が軽減

(2009年10月21日 WebMD)

化学療法を受けている癌患者は、
身体運動とメンタルトレーニングを組み合わせた
厳しいプログラムに参加すれば、疲労を感じる度合いが軽くなる。

疲労は、癌化学療法の最も厄介な副作用のひとつ。
患者は、身体的にも精神的にも何もしたくなくなる。
活動が少なくなれば、体力が弱まり、抑うつ傾向が強くなる。

先行研究では、適度の運動が有効となり得ることが示されている。
心理学的プログラムも有用。
さらに影響力を強めるために、両種のプログラムを組み合わせて、
増強させることができるか?

コペンハーゲン大学病院(Copenhagen University Hospital)の
Lis Adamsenらは、成人癌患者269名に、6週間にわたる
週9時間の訓練プログラムへの参加を要請。
志願者のうち半数は対照群にランダムに割り付け、
6週間にわたり同プログラムに参加させずに待機。

このプログラムは、男女とも興味を持つようにデザインされ、
女性の方が参加を志願する傾向ははるかに強かった。
女性196名と男性73名がこの研究への参加を志願、
235名がプログラムを完了。

◆プログラムの内容

1)月曜日、水曜日、金曜日:
強度の高い身体トレーニング(ウォーミングアップ30分、
筋力トレーニング45分、循環器系トレーニング15分)

2)火曜日:
ボディアウェアネス・トレーニング90分(第1週はストレッチ、
第2-3週はヨガ呼吸法、第4-6週はピラティス運動)

3)月曜日、火曜日、水曜日、金曜日:
身体トレーニング、ボディアウェアネス・トレーニングの後、
リラクゼーション・トレーニングを30分

4)月曜日、金曜日:マッサージ30分。

患者に選り好みは許されず、化学療法後には、
気分の良し悪しにかかわらず、全プログラムに参加。

脳腫瘍患者1例が、循環器系トレーニング後に発作を起こし、
この種の訓練を試みないように警告。
他の患者には、有害な作用は認められなかった。

その結果、プログラムを完了した人たちでは、
気分の改善が認められた。
改善度は小さいか、中程度であったものの、
この運動プログラムにより、疲労は有意に低減し、
患者は活力の高まりを感じる。
運動をした患者は、運動をしなかった患者より、
日常活動の制限が少なくなった。

「使用した範囲の運動要素は、化学療法施行中の
さまざまな癌患者にとって、進行癌患者であっても、
実行可能で安全であり、有用であることがわかった」

男性が、もっと興味を惹かれるプログラムの開発が必要。

BMJ. 2009 Oct 13;339:b3410.
Effect of a multimodal high intensity exercise intervention in cancer patients undergoing chemotherapy: randomised controlled trial.
Adamsen L, Quist M, Andersen C, Møller T, Herrstedt J, Kronborg D, Baadsgaard MT, Vistisen K, Midtgaard J, Christiansen B, Stage M, Kronborg MT, Rørth M.

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/10/21/109629/

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