(2009年10月21日 WebMD)
公園や森など緑地の近くに住むと、
心と身体の健康が向上することを示す。
新たな試験では、緑地に近いとうつ病、不安など
健康上の問題が少なかった。
この関係は、小児と低所得者で最も強かった。
緑地が健康維持に役立つことを示唆する研究は最初ではないが、
特定の健康状態に対するその影響を評価したのは初めて。
オランダの研究者が、国内の医療機関の患者健康記録を調べた。
郵便番号を利用、各患者の自宅から約3.2km以内にある
緑地の割合も計算。
研究者Jolanda Maas(Amsterdam's VU University)は、
「緑地と健康との関連性が最も強く認められたのは、
自宅から半径1km以内」
◆不安、うつ病に最も影響
試験では、96施設約350,000例における治療期間が
1年以上に及ぶ24症状の有病率に関するデータも検討。
24症状中15症状に、健康に影響を及ぼすことが確認されている
因子を補正した場合でも、年間有病率は最も緑の多い地域に
居住する患者の方が低かった。
◆その他の主な研究結果
1)心の健康に及ぼす影響が最も大きかった。
緑地が最も少ない地域に住む者と比較すると、
緑地が最も多い地域に住む者では、治療を要する不安障害の
有病率が1/3低く、うつ病の治療を受ける可能性は約1/5少ない。
2)身体の健康は、緑の多い地域に居住することの明らかな
保護効果は喘息、COPD、上気道感染症など呼吸器疾患で最も高い。
3)心血管疾患、糖尿病、癌など他の一般的な疾患については
関連性ははるかに低い。
驚いたことに、緑地を利用しやすいことは、
この試験に組み入れられた最も都会に近い地域に住む者の
健康には影響しない。
研究者らは、この理由を質が悪い、大都会にある緑地は安全でない、
と考えられ、それほど多く利用されていないと推定。
◆緑地はストレスを軽減し、運動を促す
これまでの試験から、主に都会の緑地はストレスを低下させ、
運動を促すことにより健康を向上させることが示唆。
「緑地を利用できることは、精神的に有利であることを示す
多数の研究がある」
Urban Green Institute(オレゴン州ポートランド)の事務局長で
都市自然保護活動家のMike Houck。
1980年に仕事を始めたとき、よく都市設計家に町の中には
自然が入り込む余地はないと言われた。
「彼らに、私のやるべきことは、町の外の自然地域を保護することで、
町の中の自然はすべて誰でも手に入れられると言われた。
30年かかって、明らかに態度が変わった」
オレゴン州ポートランドの主要健康保険会社2社は、
2006年新たに緑地を取得するため、
2億2700万ドルの公債発行法案を可決させるよう
積極的に有権者を説得。
「公債発行法案が承認されたのは初めてだったが、
その重要さを理解してくれた。
散歩したり、サイクリングしたり、カヤックに乗ったりする人が、
身体的にも精神的にも恩恵を受けないとは、私には想像もできない」
http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/10/21/109630/
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