(日経 9月30日)
20代、30代のビジネスパーソンを中心に、
「勉強会」に参加する人が増えている。
出勤前の朝の時間に活動する「朝活」が注目。
テーマも多岐にわたり、学習熱を高めるのに一役買っている。
◆ユニーク講座
出勤前の1時間、市民講座「丸の内朝大学」の参加者が、
新丸の内ビルディングなどにある「キャンパス」に集まる。
「全身の力を抜いてゆっくり深呼吸して」
ヨガの基本を学び、健康管理法を身に付ける
「ヘルスマネージメントメソッド of YOGA」では、
講師の指導に合わせ、受講者が体を動かしている。
「健康な状態で仕事に取り組め、生産性も上がった」
会議や商談など現場で役立つ発声法を、独自の方法で学ぶ
「ビジネスヴォイスメソッド講座」
歌手の楠瀬誠志郎さんが講師。
呼吸や自律神経を安定させると、メンタルケアにもつながる。
丸の内朝大学の運営に携わる三菱地所都市計画事業室の
井上奈香さんは、「ここにしかない講座だからと、
職場から遠くても、足を運ぶ人も多い」
丸の内近辺に勤務地がある参加者は、3割強。
丸の内朝大学は2006年、朝型の生活様式を提案する
イベントがきっかけ。
「少し早起きすれば、自分の時間が持てる」、
「オフピーク通勤が定着して温暖化対策にもなる」
ライフスタイルへの転換を促す企画が打ち出された。
ヨガや発声法などの講座がある「心体学部」、
農業を学ぶ「食学部」、環境や社会問題を考える「環境学部」など。
「アート学部」が始まり、写真を通じてコミュニケーションについて
考える講座が開かれる。
お金の運用や使い方を学ぶ「マネー学部」も。
各講座は1~9回、学費は1000~5万8000円。定員は15~40人。
◆MBAの要点
「きょうのテーマは、『あなたの会社のグーグル戦略を考える』」
渋谷の貸会議室で、経営学修士(MBA)関連の講座を運営する
「MBA Solution」(同、安部徹也社長)の勉強会。
広告会社やIT関連企業などに勤める男女9人。
この勉強会は、「できる!MBAプロフェッショナル講座
モーニングセッション」
毎月1回(1時間)のペース。
前半、「ハーバード・ビジネス・レビュー」誌などを参考に
講師が経営理論を説明。
後半、受講者同士の議論に充てられる。
1回の受講料は3800円から。
ウェブ制作会社の役員を務める岩崎正寛さんは、
これまで10回ほど参加。
「MBAの知識は、実際に日々の仕事で役に立つ。
この講座は、要点がまとまっていて便利」
「朝から勉強する熱心な人が周りにいるので、刺激を受ける」のも、
続けられる理由。
◆人脈作りも
学生時代、IT関連企業の内定者の集まりで知り合った
矢沢修さんと冨田憲二さん。
IT関連サービス企業のECナビの宇佐美進典社長に誘われ、
シティホテルでの朝食会に参加。
「その日は、仕事へのモチベーションが上がった」
この経験がきっかけで、2人は仕事への意識が高い
20代の仲間が集まる「朝からホテルで飯喰う会」を企画。
毎月1回、高級ホテルで朝食をとりながら色々な会話を楽しみ、
仕事へのやる気を高めて出社するのが目的。
ディナーは高額で難しくても、朝食であれば、
高い料金でなくても、良質で非日常を実感できるサービス。
帝国ホテルやグランドハイアット東京など、10回ほど開いた。
幹事の白川毅さんは、「長く付き合いたい仲間を
1人でも多くつくる場にしたい」
朝のスタートをうまく切れれば、昼間の仕事も効率よく
こなせる可能性も高まる。
ちょっと早起きして、「勉強の秋」を体験してみては。
◆「手始めに参加」有効
リクルート情報誌「ケイコとマナブ」編集長の根岸菜穂子氏の話
最近は、資格や経営学修士(MBA)関連科目といった仕事で
役に立つ学習に取り組む人が増えた。
不況になると、自らの能力を会社にアピールしたい意識が強くなるが、
ビジネスパーソンの学びへの意欲の高さは一過性とはいえない。
会社員が、限られた時間や収入のなかで効果的に勉強するには、
朝は比較的都合をつけやすい。
朝の勉強会には、手軽で割安な講座が多い。
最近は講座の種類も増え、多くの人を引きつけている。
難関資格の取得を目指して学校に通うには、
学費や時間の工面が難しい人は多い。
手始めに、同じ目標を持つ仲間が集まる場に参加するのは
上手な学び方。
心がけと工夫次第で、朝の勉強会の活用の幅は広がる。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090929.html
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