(2009年10月14日 共同通信社)
体内に入った薬は血管から細胞に入り、
やがて尿とともに体の外に出て行く。
その動きを、分子レベルで解明した業績が高く評価、
国際薬学連合の「ヘストマドセン・メダル」を受賞。
日本から、星薬科大の永井恒司前学長に次いで2人目。
「受賞者は、特別な存在の方ばかり。
そのメンバーに加わったことがとてもうれしい」と
人懐こい笑顔を浮かべる。
研究への目覚めは遅かった。
高知市の進学校から東京大に入学。
「何のために生きるのかと悩み、講義には出ずに
哲学や心理学の本を読みふけった。悪い学生でした」
本気になったのは大学院時代。
体内で薬がどう動くかを、試験管内で起こる現象を基に、
数学的手法で予測する。
そんな新しい学問に出合った。
「一生をささげるべき研究だと思った。
数学が得意なことも役立ちました」
細胞の表面にあって薬を運ぶ「トランスポーター」という
タンパク質分子を次々と発見。
遺伝子の個人差によって、肝臓のトランスポーターの働きが鈍り、
副作用につながることも解明。
遺伝子操作で作った2種類のトランスポーターを持つ細胞は、
新薬開発の強力な道具として世界に普及。
62歳の今、研究の総仕上げとして、微量の薬の体内での動きを
調べる大規模な研究プロジェクトに取り組む。
多忙な日々の息抜きは、「ラップ」。
「歌が下手でも語れる。気が晴れます」
研究室の若手の結婚式では、Tシャツに着古したジーンズ姿で
ORANGE RANGEの曲を披露することも。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/10/14/109120/
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