2010年7月12日月曜日

血糖値下げる細胞に変化 糖尿病治療に期待

(2010年7月5日 共同通信社)

膵臓でインスリンを出し、血糖値を下げるベータ細胞を
取り除くと、反対に血糖値を上げる細胞が変化し、
膵臓の機能を回復させることを、
奈良先端科学技術大学院大とスイスのジュネーブ大
チームが、マウスを使って解明。

糖尿病患者では、インスリンが働かなくなったり欠乏したりし、
ベータ細胞を除去したマウスは、糖尿病と同じような症状。

チームの河野憲二奈良先端大教授は、
「細胞が変化し、機能が回復する仕組みが分かれば、
治療につながるかもしれない」

チームは、マウスの膵臓にある組織「ランゲルハンス島」で、
インスリンを出しているベータ細胞を除去。
15日後、正常なマウスの0・4%しかなかったベータ細胞が、
1カ月後には1・2%、10カ月後には17%にまで回復、
生存に必要だったインスリン投与も不要に。

ランゲルハンス島で、ベータ細胞とは逆に血糖値を上げる
グルカゴンを出す「アルファ細胞」を、発光するようにして
識別できるようにした上で、ベータ細胞を除去。
発光する細胞がベータ細胞に変化し、インスリンを分泌。
アルファ細胞も同時に除去すると、ベータ細胞は増えなかった。

英科学誌ネイチャーに掲載。
河野教授は、「正反対の機能を持つ細胞に直接変化したのは驚き。
生き延びるための適応の結果ではないか」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/7/5/122409/

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