(サイエンスポータル 2010年7月7日)
世界の主要学術誌に掲載された日本の学術論文数は、
この10年間横ばい状態、世界に占めるシェアも、
2000年9.45%から09年6.75%に下がっていることが、
国際情報企業「トムソン・ロイター」の報告書。
「グローバル・リサーチ・レポート日本」によると、
日本の停滞ぶりを示す数字は、論文が他の論文に
どれだけ引用されたかを示す平均被引用数にも現れている。
英国、フランス、オーストラリアといった国々が世界平均を
超えているのに対し、日本は依然、世界平均を下回ったまま。
中国も、まだ世界平均より下だが、論文数が
「この4-5年間で驚くべき伸びを示している」、
平均被引用数もまた「急激に上昇し始め、世界平均へと一気に
駆け上がっていくようなペースで、今後も上昇していくことが予想」と
高い評価を得ている。
05~09年、世界に占める論文数のシェアが
日本で一番高かったのは物理学、11.09%。
物理学も、前の5年間(00~04年)のシェアは13.86%とさらに高く、
他の多くの分野同様、この5年間で論文数、シェアともども
数字を落としている。
00~04年、世界の論文数シェアが国内で1位だった
材料科学(14.25%)も、05~09年10.29%までシェアが低下。
レポートは、「日本の研究パフォーマンスが見劣りするのはなぜか」
という問いかけをしているが、著者の一人でもある
研究担当ディレクター、ジョナサン・アダムス氏は、
「日本の研究業績を低迷させている要因のひとつは、
国際的な研究協力の比率が低いこと。
日本の研究は、急速に発展している近隣諸国と協力して
技術革新の機会を追求するのではなく、
国内の活動によって支えられているように見受けられる」
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1007/1007071.html
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