2010年7月17日土曜日

インタビュー・環境戦略を語る:カルビー・伊藤秀二社長

(毎日 7月5日)

「ポテトチップス」や「じゃがりこ」などで知られる
スナック菓子国内最大手、カルビー。
主原料のジャガイモから出る廃棄物の抑制をはじめ、
資源の有効利用に積極的に取り組んでいる。
同社の環境戦略を、伊藤秀二社長に聞いた。

--スナック菓子メーカーとして環境負荷の低減に
どう取り組んでいるか?

◆食品業界は、消費者に密接し、環境対応は重要なテーマ。
カルビーは、「未利用資源の有効利用」が創業の精神。
かっぱえびせんは、漁網にひっかかった小エビが捨てられていたのを
活用できないかと、あられに練りこんだのが始まり。
殻もむいて捨てず、殻ごと練り込むことで、カルシウムなど
栄養価も豊富に摂取できるように仕上げた。
資源をまるごと活用することを目指し、創業以来、努力。

--スナック菓子の主原料のジャガイモは、
どのように有効利用を図っているか?

◆国内で年間約270万トン(08年)とれるジャガイモのうち、
我が社ではポテトチップス用に30万トン弱を使っている。
製造過程で皮をむくが、ここにも栄養分は残っている。
再利用できないか知恵を絞り、皮を乾燥させ粉末にし、
キノコの菌床に加えることで成長を促す
「ドライミールポテト」を開発、商品化。
ジャガイモの残りかすを、家畜用飼料などとしても活用。

--「15年までにCO2排出量を06年度比で30%削減する」
目標を掲げている。

◆できる範囲で積み上げた数字というより、本気で取り組もうという
野心的な目標を設定。
高い目標を掲げないと、大胆な改革はできない。

当社の商品であるスナック類は、低単価で数量や種類が多く、
包装材もたくさん使う。
包装材には、食の安全を守る機能もあり、小さく軽くしていくにも
限界があるが、昨秋発売の「じゃがりこ」は、内容量はそのまま
カップの高さを1cm低くし、紙・アルミの使用量を従来品より8%削減。
シリアル商品を、箱入りから袋入りに簡素化するなど
商品企画の段階から環境に配慮。
外装を小さくできれば、輸送効率も上がる。

--今後の課題は?

◆廃棄物の再利用にとどまらず、廃棄物自体を出さない
品種改良も進めていく。
ジャガイモでは、収穫や輸送の際、どこかにぶつけると紫色になり、
時間がたつと原料として使えなくなってしまう。
クッションを付けるなど工夫もしているが、打撃に強く、味も良い
品種に改良できれば、無駄をなくせる。
我が社の研究所では、そういう地道な品種改良に力を入れている。
環境問題への取り組みは永遠に続く。
社会にも自然にも消費者にも、やさしい企業を目指し続ける。
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◇いとう・しゅうじ

法政大卒。79年カルビー入社。
関東事業部長、常務執行役員などを経て、09年6月から現職。
福島県出身。53歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/07/05/20100705ddm008020017000c.html

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