2010年7月12日月曜日

共通番号制度 社会保障の充実に不可欠だ

(2010年7月4日 読売新聞)

社会保障と税制に共通して使える番号が、国民のために必要--。
そうした認識に立って、菅首相をトップとする閣僚級の検討会が、
共通番号制度の素案をまとめた。

創設にあたっては、基礎年金番号を使う、住民基本台帳の番号を使う、
新しい番号を作る、の3案を選択肢として示している。

基礎年金番号は、基本的に成人にしか割り振られておらず、
住基番号も批判にさらされた経緯があるため、
政府は新番号を作る案を最有力と考えている。

新番号方式でも、住基ネットに基づいて番号を付ける。
発行するICカードは、既に実用化されている住基カードも活用。

住基ネットを無駄にせず、有効利用するのならば、
新番号方式も現実的な選択であろう。

政府は、年金や健康保険など各制度のデータは、
これまで通り別々に管理し、必要な時だけ共通番号を“鍵”にして
各データをつなぐことを想定。
個人情報保護を任務とする第三者機関を設置する構想も示した。

個人情報を守る仕組みを厳格に構築しつつ、
着実に導入を進めることが肝要。

菅首相は、共通番号制度の素案を、
年金改革の基本原則とセットで発表。
民主党が掲げている所得比例年金の創設には、
番号による正確な所得把握が欠かせないから。

首相は、消費税の導入に際しては所得の低い人に税金を還付する、
との考えを示したが、これも番号の導入が前提。

「子ども手当」も、番号があれば、家族の構成や収入総額を見極めて、
本当に手当が必要な家庭を集中的に支援できる。

複数の社会保障制度をまたいで、保険料や窓口負担を
総合的に減免するなど、きめ細かな低所得者対策も可能。

国民全員が、社会保険料などをこれまでいくら負担し、
医療などの公的サービスをどれだけ受けてきたか、
年金記録は間違っていないか、といった情報をいつでも確かめられる。
国民の側からも、社会保障制度の運営状況を常時監視できる。

今回の番号制度素案は、自公政権時にまとめられた、
社会保障カードに関する検討報告の内容とほぼ一致。
共通番号の必要性については、与野党の多くが認めている。
超党派で取り組むべきだ。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/7/5/122422/

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