2010年10月4日月曜日

森の生態系守ろう 盛岡で東北地環研が再生事業

(岩手日報 9月26日)

自然環境の調査研究に取り組む東北地域環境計画研究会
(会長・由井正敏県立大名誉教授)は、民有林で森林再生事業
「小動物が棲む森林づくり」を実施。

同地域付近で、生息が確認されている国の天然記念物・イヌワシの
すみよい環境をつくるための取り組みで、
参加者は、林業の仕事や自然環境の保護に理解を深めた。

同会メンバーや動植物の保全活動などを学ぶ
イオンチアーズクラブの子どもたちら、合計約70人が参加。

盛岡市の農林業吉田俊和さん(82)が所有するスギ林(約1ha)に移動、
切り出した木材で、イヌワシの餌となる野ウサギの隠れ家を作った。

参加者たちは、幅約1mに切り分けたスギを積み上げ、
野ウサギが入れるよう、30cmほどのすき間をつくって
枝木をかぶせ、隠れ家を完成。

吉田知世さん(津志田小5年)と泉山萌さん(岩手大付属小6年)は、
「木を切るのが思ったよりも大変だった。
野ウサギ以外にも、いろんな動物がすみやすくなるといい」と期待。

間伐は、山林の地表まで、太陽光が届くよう一定幅を決めて
伐採する「列状間伐」という手法で実施。

切り出した木材を、農耕馬で運ぶ馬搬作業も披露。
盛岡周辺では、昭和初めころまで林業に馬が使われ、
参加者は間近で伝統の技術を学んだ。

この取り組みは、今年で13回目。
イヌワシなど猛禽類の生息環境維持を目指し、県内の山林で実施。

本年度は、2006年から県が導入している
「いわての森林づくり県民税」を活用した
「県民参加の森林づくり促進事業」として採択。

由井会長は、「動植物の繁殖は、山林の環境整備と関連。
事業の結果を分析し、他地域での取り組みにも生かしたい」
同事業は、12月まで毎月1回開かれる。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100926_10

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