2010年10月9日土曜日

食物アレルギー仕組み解明 マウス実験、治療に道

(2010年9月30日 共同通信社)

本来、異物である食べ物が体内に入っても、
免疫機構が攻撃を仕掛けない「経口免疫寛容」の仕組みを、
マウスの実験で明らかにしたと、
理化学研究所の佐藤克明チームリーダーらが、
30日付の米科学誌ブラッド電子版に発表。

生きるのに必要な食べ物を、異物と判断してしまうと、
食物アレルギーを引き起こし、命にかかわることも。
佐藤さんは、「アレルギー治療につながる成果」。

佐藤さんらは、食べ物が吸収される腸の粘膜では、
免疫細胞の一種「樹状細胞」の表面に、「B7H1」と「B7DC」という
2種類の分子が顔を出し、免疫を抑制するT細胞を作り、
異物を攻撃する抗体の生産を抑えるなど、
重要な役割を果たしていることを突き止めた。

普通のマウスに、あらかじめアレルギー物質のタンパク質を
食べさせると、1週間後に同じタンパク質を皮下注射した場合に
できた抗体の量は、事前に食べさせなかったマウスの約20%に減り、
経口免疫寛容が成立することを確認。

遺伝子操作で、この2種類の分子をなくしたマウスで
同様の実験をすると、抗体は70~80%できた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/30/126263/

0 件のコメント: