2010年12月17日金曜日

アクチン繊維 生成の仕組み解明 世界初、千葉大・遠藤教授の研究班

(2010年12月10日 毎日新聞社)

筋肉の収縮運動に必要な「アクチン繊維」が、
細胞内で作られる仕組みを、千葉大大学院理学研究科の
遠藤剛教授(55)の研究グループが、世界で初めて解明。
10日、米科学誌「サイエンス」に掲載。

研究結果は、遺伝子異常による筋疾患や、心肥大、心筋症の
画期的な治療法の糸口になる可能性があるとして注目。

アクチンは、「ネブリン」という1umの直線状のたんぱく質に沿って作られる。
遠藤教授らは、このネブリンの端に特定のたんぱく質が結合するのを
きっかけに、長さの同じアクチンが作られ始めることを実験で突き止めた。

筋肉の収縮は、手足を動かすとともに、呼吸や心臓の動きを担っており、
生命維持に直接かかわる。
アクチンができる仕組みは、筋肉の再生や筋肉が大きくなることにも
必要であることが研究で分かった。

5万人に1人の割合で起こる筋疾患「ネマリンミオパチー」は、
重症だと呼吸障害や嚥下障害で、1歳未満で死亡してしまう。
遠藤教授によると、ネブリンを作る遺伝子の異常で起こる場合が多く、
ネブリンが不完全なためアクチン繊維も不ぞろいになり、
筋肉の収縮がうまく起こらない可能性がある。

遠藤教授は、「今後、同じような仕組みが心筋でも働くか実験し、
心肥大につながるかを調べたい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/10/129633/

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