2010年12月17日金曜日

新生児対応で学会最高賞 県立大船渡病院

(岩手日報 12月7日)

大船渡市の県立大船渡病院(八島良幸院長)の小児科チームは、
作成困難とされる新生児のクリニカルパス(診療計画表)を
導入して、成果を挙げている。

同パスは、治療や検査、看護などの内容やスケジュールの一覧表で、
患者の理解を助ける。
新生児の状況に応じた細かい組み合わせパターンを構築し、
全国学会で最優秀賞を受けた。
赤ちゃんの命を守るシステムとして、全国への波及が期待。

「クリニカルパス」は、患者用と医療スタッフ用があり、
入院指導や検査、退院指導などをスケジュール表のようにまとめたもの。
▽医師によって対応が異ならない「医療の標準化」、
▽過剰診療や医療過誤を防ぐ「業務効率化」、
▽患者への説明の充実―などの
効果があるとして、全国的に導入が進む。

小児科、特に新生児の同パス作成は困難とされてきた。
パスは、入院から退院までを一覧表にした形が一般的。
新生児は、出生時の体重や状況が異なり、さまざまな病状があるため、
一括作成が難しく、諦める場合が多かった。

「行き当たりばったり」な診療は、現場や患者が負担を強いられる。
同病院小児科は、2008年3月から一括ではなく、
状況に応じて、細かく短期間のパスを組み合わせる方法を導入。

まず、出生後4時間で、「保育器に入る場合」、「新生児室に入る場合」
などに分類。
過程をチャート表にし、状況や段階ごとに必要なケア、
投薬方法を設定したパスを作成。

2年間で1297例を対象に実践。
適切な治療方針の構築や過剰診療防止、業務効率向上が図られ、
「マニュアル」的な機能を十分に果たした。

成果は、第11回日本クリニカルパス学会で発表。
全国524件から、最高賞の最優秀賞に輝いた。
同様の取り組みは、これまで発表されていない。

大津修小児科長は、「新生児にも、ある程度の共通項があり、
作成できない訳はないと取り組んだ。
全国で参考にしてもらい、より良いものに発展できればいい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101207_13

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