2010年12月12日日曜日

還元型コエンザイムQ10がインフルエンザウイルスの感染を予防

(日経ヘルス 12月7日)

カネカは、還元型コエンザイムQ10が、インフルエンザウイルスの
感染に対し、予防効果を発揮すると発表。

コエンザイムQ10で、インフルエンザに対する有用性が
示唆されたのは初めて。
コエンザイムQ10は、抗酸化作用やエネルギー産生を促進する
作用で知られる成分。

日本では、もともと医薬品成分だったが、2001年から食品に、
2004年には化粧品への使用が可能、
サプリメントや化粧品など様々な製品に配合されてきた。

従来は、酸化型のコエンザイムQ10が一般的だったが、
体内では大部分が還元された形で存在することから、
同社が、「還元型コエンザイムQ10」を開発、
2006年から原材料供給を開始。

今回は、富山大学大学院医学薬学研究部の林利光教授との共同研究。
還元型コエンザイムQ10を経口投与したマウスに、
A型インフルエンザウイルス(H1N1亜型)を鼻から感染させ、
気道と肺のウイルス量、ウイルスに対する抗体産生量を測定。

マウスは、
(1)普通に飼育した群(対照群)、
(2)還元型コエンザイムQ10低用量を投与した群、
(3)還元型コエンザイムQ10高用量を投与した群、
(4)感染してから抗インフルエンザウイルス薬オセルタミビルを
投与した群で、各10匹ずつ飼育。

還元型コエンザイムQ10を投与した群は、ウイルス感染7日前から
還元型コエンザイムQ10を投与し、感染後も7日間投与を続けた。

その結果、還元型コエンザイムQ10を投与した群は、
対照群に比べ、3日後の気道、肺中のウイルス量がともに
有意に抑えられていた。

抗インフルエンザウイルス薬を投与した群では、
抗体をほとんど作らないのに比べ、還元型コエンザイムQ10を
投与したマウス群で、14日目に抗体産生量を確認し、
抗体は十分に産生され、対照群とほぼ同等。

同社QOL事業部技術統括部開発グループ学術・知財チームの
細江和典氏は、「コエンザイムQ10には、直接的な抗ウイルス作用が
ないことは、もともと知られていた」

乳酸菌のように、体内で免疫機能を動かす働きをしているかというと、
「作用機序はまだ不明、コエンザイムQ10のエネルギー産生を高める
作用が関与している可能性がある。
現在、富山大学で作用機序解明のための研究を進めている」

インフルエンザに関して別途実施した動物試験では、
還元型コエンザイムQ10と乳酸菌を一緒に付加したところ、
さらに高い効果が見られた。

酸化型との比較では、酸化型の低用量では効果が
確認できなかったのに比べ、還元型では低用量でも効果が確認。
これらの内容について、今後、論文や学会などで発表していく。

http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101207/109503/

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