2011年6月6日月曜日

緊急連載 学校と震災(1)引き取り下校 大幅遅れ

(読売 3月17日)

突然の緊急事態。
多くの小中学校では安全のため、子どもを保護者の「引き取り」で
下校させる措置をとったが、保護者に連絡できず、
子どもが夜遅くまで学校に残ったり、泊まったりした例も。

都市圏に特有の問題として浮かび上がったのは、保護者が都心で働き、
子どもは何十kmと離れた住宅地の学校にいるケース。

「仕事より子どもを優先し、情報をすぐに確認すべきだった」と
反省する都内の40歳代男性。
妻を病気で亡くし、ひとり親として働く男性が、小学生の次女を
学校から引き取ったのは、学校の引き取り要請から7時間半後。

管理職として、部下全員の帰宅を確認した午後8時、
帰宅難民となり、徒歩で自宅に向かった。
携帯電話は不通。
公立小学校の次女は、引き取り訓練時の説明から集団下校したと思っていた。

途中、午後10時に携帯電話にメールがまとめて配信、
小学校で午後3時過ぎ、保護者引き取りを要請していたと初めて知る。
同級生の母親らから、代理引き取りの申し出メールが何通も来ていたが、
保護者の同意確認が必要なため、次女はまだ学校に。
引き取ったのは午後10時半。
中学生の長女は、学校で宿泊。

大地震や事件などの緊急事態が発生した場合、
大半の小中学校では児童生徒の自主下校をさせず、
保護者による引き取り下校措置をとることになっており、
年に何回か訓練も行う。
保護者がすぐに来校できない時に備え、引き取り人名簿に
同級生の保護者など、候補者を複数登録していることが多い。

引き取り要請を伝える連絡網の電話やメール自体が、
数時間以上にわたって通じなかったため、混乱が生じた。

ケースは様々に分かれた。
都内杉並区のある小学校では、緊急電話網で引き取り要請を行ったが、
電話が通じず、多くの児童が長時間学校で待機。
大田区の小学校では、かなり早い段階で引き取り要請メールが届いた例、
電話やメールが通じなかったが、保護者が自己判断で
引き取りに向かった例など。

杉並区内では、集団下校措置をとった学校もあるが、
同区教委では、「この緊急時、保護者のいない自宅に
子どもが1人になるのはかえって不安な面もある」

東京学芸大学の渡辺正樹教授(53)(安全教育学)は、
保護者が帰宅困難になり、連絡網が不通の場合どう対処すべきか。
今回の混乱を教訓に、対応策を改めて見直す必要がある」

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110317-OYT8T00252.htm

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