2011年6月6日月曜日

英国…学費無料校 市民が模索

(読売 2月24日)

ロンドン西部イースト・アクトンにある邸宅に、15人の男女が集まった。
ホームパーティーのようだが、家の主でジャーナリストの
トビー・ヤングさん(47)を中心に、議論が始まる。

「書類に不備はないか」、「反対派が訴訟を起こした場合の対応は」。
地元にフリースクールを創設しようとするグループの話し合い。

日本でフリースクールというと、不登校児が通うイメージが強いが、
昨年5月発足のキャメロン政権が教育改革の目玉として推進するのは、
スウェーデンをお手本にした、市民が設立して公費で運営する
学費無料(フリー)の学校。

9月開校を目指すヤングさんたちは、その第1陣。
11~16歳が対象、初年度は11歳の1学年のみを受け入れ、
定員120人に457人が応募するなど反響は大きい。

ヤングさんは、2~7歳の3男1女の父親。
「子どもたちには、最高の教育を受けさせたいが、
4人とも私立は無理だし、公立は当たり外れがある。
通わせたい学校を手作りしよう」と、2年前に運動を始めた。

目指すは、フリースクール版イートン。
数多くの宰相、王族を教育してきた名門私立男子校イートンは、
年間最低400万円という学費の高さでも知られ、
これを地元で学費無料、共学で実現しようというわけだ。

特色は、ラテン語の必修化。
イタリア語など、ラテン語系言語の習得に役立ち、
記憶力や忍耐力を養うのに最適だから。

最大野党・労働党や教職員労働組合などは、
「少ない教育予算を奪い、貧富の差の拡大につながる」と、
フリースクールに反対の立場。
地元の反対派も、提訴する構え。
ヤングさんたちの模索は、全英の注目を集めている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20110224-OYT8T00282.htm

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