2011年6月11日土曜日

細胞生死の鍵はNO 濃度調節、脳障害軽減も

(2011年6月7日 共同通信社)

細胞内のNOが、特定のタンパク質と結合する際、
NOの濃度によって細胞死を食い止めたり、促進したりすることを、
岡山大の上原孝教授(神経薬理学)のグループが突き止め、
7日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表。

脳梗塞を起こした部分に、濃度を調節したNOを送り込んで
神経細胞が死滅するのを防げば、脳へのダメージや言語・運動障害を
軽くできる可能性がある。
がんやアルツハイマー病治療への応用も目指す。

上原教授によると、PTENと呼ばれるタンパク質は、
細胞の生存のための情報を伝達する経路に働き掛けて、
細胞の過剰な増殖を抑えている。

低濃度のNOは、PTENと結合してその活動を抑え、
細胞の生存や増殖を促す信号が活発に出るようにする。
NOが高濃度だと、PTENだけでなく情報伝達自体も抑制し、細胞死が進む。

上原教授は、脳梗塞を起こしたネズミの脳を観察。
中心部はNOの濃度が高く、神経細胞の死ぬスピードが速いが、
周辺部は低濃度で、死滅は緩やか。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/7/137607/

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