2008年4月24日木曜日

赤ワインの抗酸化物質には抗癌作用がある

(WebMD 3月26日)

赤ワインに含まれる抗酸化物質が癌細胞を内側から破壊し、
放射線療法と化学療法による癌治療の有効性を増強することが、
新規研究で明らかに。

ブドウの皮に含まれるレスベラトロールという抗酸化物質が、
癌細胞のエネルギー源を標的にし、
それを活動不能にすることによって効果を示す。

放射線療法と組み合わせた場合、放射線療法の前に
レスベラトロール治療を行うことによって、
癌治療の重要な目標である細胞死も誘導。

レスベラトロールは、膵癌の化学療法に対する抵抗性を下げる
可能性があるが、「赤ワインの摂取が、化学療法にどのような
影響を及ぼすかは依然として不明」。

ロチェスター大学メディカルセンターの放射線腫瘍学Paul Okunieffは、
化学療法または放射線療法の期間中の赤ワインの摂取については
十分な研究が行われていないが、禁じられているわけではない。
癌患者がすでに赤ワインを適度に飲んでいる場合、
ほとんどの医師は患者にそれを止めよとは言わないだろう。

もっとよい方法は、同じくレスベラトロールを含んでいる
赤または紫色のブドウジュースを望むだけ飲むこと。

「抗酸化物質の研究は現在、非常に活発であり非常に魅力的である。
課題は、適切な濃度を明らかにすることと、
細胞内でどのように作用するのかを解明すること。
我々は、この問題の重要部分をすでに発見した。
レスベラトロールは、腫瘍細胞の放射線療法に対する感受性を高め、
正常な組織の放射線療法に対する感受性を下げることによって、
治療効果を示すように思われる」。

発表された研究では、50μg/ml用量のレスベラトロールの単独および
放射線療法との併用での膵癌細胞に対する作用を検討。
赤ワイン中のレスベラトロールの濃度は、高くても30μg/ml。

結果は、レスベラトロールが次のような有用と考えられる
種々の抗癌作用を有したことを示した。
1)治療に抵抗する蛋白質を阻害することによって、
化学療法に対する癌細胞の感受性を高める
2)癌細胞の死(アポトーシス)を引き起こす
3)癌細胞のエネルギー源に害を及ぼし、機能する可能性を低下

「更なる研究が必要であるとはいえ、本研究はレスベラトロールが
癌治療の一部として将来有望であることを示している」

Sun, W. Advances in Experimental Medicine and Biology, March 2008.
News release, University of Rochester Medical Center.

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=70184

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