2008年4月26日土曜日

月経血から心筋細胞 慶応大など「幹細胞源として期待」

(朝日新聞 2008年04月17日)

女性の月経血には、からだのさまざまな組織に変化する
可能性がある幹細胞が豊富に含まれ、条件を整えると、
心臓の細胞(心筋細胞)に高い確率で変化して拍動もすることを、
慶応大と国立成育医療センターなどのチームが実験で示した。

チームは、「月経血は新しい幹細胞源として期待できる」。
米専門誌ステムセルズ(電子版)に論文を発表。

チームは、女性6人に協力してもらい、
月経血をガラスの容器に採取して培養。
人工的に心筋梗塞を起こしたネズミの心臓に移植したところ、
症状の改善が確認された。

試験管内の分化誘導実験では、月経血に含まれる細胞の
20%が心筋細胞に変わって、自ら拍動を始めた。
現在、病気の治療に幹細胞を使うときは、
赤ちゃんのへその緒に含まれる臍帯血や、骨髄から採ることが多い。
しかし、さまざまな組織に変化できる有用な幹細胞が
含まれる割合が低いうえ、目的の細胞に変化する割合も高くない。
チームの実験では、心筋細胞に変化した骨髄細胞の割合は、0.3%。

三好俊一郎・慶応大講師は、「月経血は医療廃棄物で、
使うことに倫理的な問題はなく、採取の際に痛みもない。
将来、若いころに月経血を採って冷凍保存しておき、
あとで心臓病になったときに使うことなどが考えられる」。

http://www.asahi.com/science/update/0417/TKY200804170280.html

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