2008年6月6日金曜日

16年夏季五輪:東京1次通過 大都市に有利な傾向 実質「招致」これから

(毎日 6月5日)

16年夏季五輪の開催権を争う都市は東京、シカゴ(米国)、
マドリード(スペイン)、リオデジャネイロ(ブラジル)の4都市。
「第1次選考」方式は、99年に決まり、
08年夏季五輪の開催都市を決める時から採用。

98~99年に、立候補都市がIOC委員への投票依頼を目的として、
過剰な便宜供与を行うなどのスキャンダルが発覚。
その後、IOCの浄化を目指した改革の一環として、
一定の開催能力を持つと評価された都市だけに
正式な立候補を認める方式が導入。
08年五輪(北京に決定)では10都市から5都市、
12年五輪(ロンドンに決定)では9都市から5都市と、
1次選考段階で、ほぼ半数に絞られている。

1次選考では、都市機能の充実ぶりなどが重視、大都市に有利な傾向。
これからが実質的な「招致争い」になるが、
東京にとっては同じアジアのドーハが外れたことで、
同大陸内での争いが避けられたのはメリット。

立候補を正式承認された都市は、来年10月のIOC総会での投票に向け、
IOC委員への便宜供与などを伴わない範囲で、
世界的なPR活動が許される。
一方で、IOC内に設けられる評価委員会(委員約15人)以外の委員は
立候補都市の訪問が原則禁止、
開催の理念や計画の内容、評価委が来年実施する現地調査の
報告書による評価も、支持の行方を左右。

存在感を積極的にアピールする一方で、
「なぜ、どんな五輪を開きたいか」も示さねばならない。
立候補都市が負うべき課題は多い。

◇日本オリンピック委員会・竹田恒和会長

実際に(通過が)確認できて、ほっとしている。
これで正式にスタートラインに立てた。

◇東京オリンピック招致委員会・河野一郎事務総長

これからが勝負。我々の計画には、いい点がたくさんあると
思っているが、評価を読んで修正したい。
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◆16年五輪招致を表明した7都市と主な実施計画◆
◇東京
日本の首都、人口約865万人(23区内)。臨海部など二つの会場群。
31会場のうちメーンスタジアムなど10会場を新設。
半径8キロ以内に大半の会場。ホテルは都心部に約7万5000室。
都民の60%が招致を支持。64年に夏季五輪を開催。
国内で夏季1回、冬季2回の五輪を開催

◇シカゴ
米国第3の都市、人口約280万人。
国内選考でロサンゼルス、サンフランシスコを破った。
ミシガン湖岸を中心に四つの会場群。ホテルは市街地に10万室。
市民の76%が招致を支持。
五輪の開催歴はなく、国内で夏季4回、冬季4回開催

◇マドリード
スペインの首都、人口約313万人。
市街地から半径12キロ以内の二つの会場群に大半の会場。
ホテルは市内に約6万5000室。市民の87%が招致を支持。
12年五輪も招致したが落選。五輪の開催歴はなく、国内で夏季1回を開催

◇リオデジャネイロ
ブラジル第2の港湾都市、人口約610万人。
34会場は四つの会場群に分かれ、半数以上の18会場は既存。
ホテルは市内に約5万室。市民の78%が招致を支持。
南米初の五輪開催を目指す。国内で14年にサッカー・ワールドカップを開催

◇ドーハ
カタールの首都、人口は約37万人。夏は猛暑のため、10月開催を計画。
市内の半径10キロ以内の3つの会場群に大半の会場。
ホテルは市内に約1万8000室で、大幅な新設を計画。
市民の86%が招致を支持。アラブ圏初の五輪開催を目指した。

◇プラハ
チェコの首都、人口約120万人。市内の3つの会場群に大半の会場。
五輪の規格を満たした競技施設は少なく、多くの新設や改修を計画。
ホテルは市内に約2万7000室。市民の50%が招致を支持。
国内で五輪の開催歴はない

◇バクー
アゼルバイジャンの首都、人口約112万人。
市中心部から10キロ以内に大半の会場。
五輪規格を満たす競技施設が少なく、多くの新設や改修を計画。
ホテルは市内に約1万1000室。市民の92%が招致を支持。
国内で五輪の開催歴はない

http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2008/06/05/20080605ddm035050066000c.html

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