2009年1月28日水曜日

朝食食べれば元気アップ 体力向上との相関を強調

(共同通信 2009年1月22日)

「朝食を食べ、よく眠れば元気アップ」、「運動部に入ると体力向上」。

文部科学省は、全国体力テストの結果分析で運動、生活習慣と
体力向上との相関関係を強調、子どもの健全育成に向けて啓発を進める
「早寝・早起き・朝ごはん」の流れに沿う内容が目立った。

テスト結果で、朝食の摂取状況と体力合計点(80点満点)の関連をみると、
「毎日食べる」とした小学生男子の平均が54.4に対し、
「毎日食べない」児童は50.8にとどまった。
女子も毎日食べる児童は55で、3.4ポイント上回った。

小中学校の男女とも、朝食を毎日食べる子どもが食べない子に比べ、
肥満の割合が少ないことも指摘。

運動部やスポーツクラブに所属している中学生女子の体力合計点平均は52.1、
未所属の女子を10.6ポイント上回った。
男子も、未所属の生徒より9.7ポイント高い42.5。
学校単位でみても、小中学校とも加入率が男子で80%以上、
女子で70%以上になると、平均点が大幅に上昇。

一方、睡眠時間が1日に「8時間以上」とする小学生の平均は
男子が54.7、女子は55.1。
「6時間未満」とした男子は51.8、女子は52.5で、
文科省は「睡眠時間の差が体力にも反映している」と分析。
ただ、中学生では男女ともに「6時間以上8時間未満」の平均が最も高くなった。

▽全国体力テスト

正式名称は「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」。
小5と中2のすべての児童生徒を対象に実施。
小学校は、全体の71%約1万5600校の計約78万人、
中学校は、70%約7600校の計約77万人が受けた。
実技は握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、50メートル走、
立ち幅跳びのほか、小学生はソフトボール投げと20メートルシャトルラン、
中学生はハンドボール投げとシャトルランか持久走
(男子1500メートル、女子1000メートル)を選択。
児童生徒の生活・運動習慣や学校への調査も行った。
事業費は約1億9000万円。

▽従来の調査で十分 

正木健雄・日本体育大名誉教授(体育学)の話

日本は1964年以降、子どもから大人を対象に体力と運動能力を抽出調査、
この分野では世界でも例がないほど統計資料が充実。
だが、その調査で判明した背筋力と柔軟性の低下、という問題には
何ら有効な対策を講じておらず、膨大なデータを活用できていない。
新たに全国一斉・全員対象の調査をしても、
同じようなデータが増えるだけで底上げには役立たない。
やるべきことは従来の調査で分かっているのだから、
大切な予算は指導の充実に使うべきだ。

▽体力向上の手掛かりに

西嶋尚彦・筑波大大学院准教授(健康体力学)の話

体を動かす習慣が身についている子どもや、体力づくりに熱心な学校は
良い結果が出ており、小中学校や教育委員会が体力向上を
どうやったら実現できるかという手掛かりが見えた。
調査対象が学年全員なので、参加した子どもは自分の水準を知り、
運動や食事といった生活習慣を見つめ直すことができる。
大事なのは、各地域が結果を活動に反映させることだが、
今回は約3割の学校が参加していない。
足並みがそろうまで、あと数年は続けるべきだ。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/1/22/86919/

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