(共同通信 2009年1月26日)
愛犬に見つめられると、相手への信頼感やきずなを強める働きのある
ホルモン「オキシトシン」が飼い主の体内で増加することを、
麻布大と自治医大の研究グループが確認。
オキシトシンは、哺乳類の母子関係や夫婦のきずな形成に
関係しているとされるが、異種間での作用が確かめられたのは初めて。
「見つめる」という行為が、オキシトシン増加を招くことについて、
永沢美保・麻布大助教(比較認知科学)は、
「『目は口ほどに物を言う』と言われるが、
人間と犬の間でも視線が重要なのだろう」
研究グループは、55組の飼い犬と飼い主で実験。
室内で1組ずつ、30分間触れ合ってもらい、実験前後の飼い主の尿に含まれる
オキシトシンの濃度を測定。
事前アンケートで、犬との関係が「良好」と判断された飼い主13人では
実験後に濃度が大きく上昇したが、「普通」の42人では変化が無かった。
良好群の実験後の濃度は、普通群の約1.5倍と高かった。
良好群の実験を撮影した映像を分析すると、
犬が「遊ぼうよ」と飼い主を見つめたのをきっかけに交流した回数が多いほど、
実験後の濃度が高くなっていた。
一方、犬に顔を見せないよう飼い主が壁を向いたまま触れ合う実験では、
55組すべてで濃度変化は表れなかった。
◆菊水健史・麻布大准教授(行動神経科学)の話
オキシトシンを利用すれば、なかなか飼い主に懐かない犬を懐かせる
薬の開発につながる可能性がある。
しかし、オキシトシンは人間だけでなく、散歩や餌やりなどを通じて
犬の体内でも少しずつ分泌されるようになると推測。
薬を使って懐かせるより、犬を思いやって大事に面倒を見てやることが大切。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/1/26/90433/
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