2009年9月28日月曜日

埋もれかけた「信仰碑」保護 19基、県道沿いに移設整備 赤崎町の大畑さん

(東海新報 9月25日)

金比羅大権現や六地蔵など19基を安置した信仰碑群が、
大船渡市赤崎町の県道沿いにお目見え。

人目のつかないのり面に埋まったり倒れたりしているのを憂いた、
元会社員・大畑久松さん(77)が保護するため、
1カ所にまとめて移設。
誰もが参拝しやすいように生まれ変わった。

石碑群は、のり面から約3㍍下の人通りや交通量の多い
県道沿いに移設。
ブロック石と御影石で造成した長さ約17㍍、幅2・5㍍の台座に
建て直し、立派に整備された。

江戸時代の1770年に建てられた念仏講中1基が最古。
文政5年(1822)などに建立された金比羅大権現が2基、
昭和25年の馬頭観世音が3基、山神、雷神塔、虚空藏大菩薩、
庚申、庚申塔、百萬辺供養、湯殿山が各1基。
6地蔵を入れ、計19基が林立。

石崎の六地蔵と呼んでいる地蔵尊は、三体が見つからず
行方不明なため、久松さんが代わりに用意した2個と、
知人の大畑信吾さんから寄付された1個の自然石を加え、
6基にして建て直した。

馬頭観音1基は、久松さんの先祖が建てたもので、
分家の大畑安吉さん、大本家の大畑健志さん、佐々木信吉さんの
三家が建立したものが計5基、
そのほか「地域の有志が建てたものでは」と久松さん。

19基の信仰碑は昔から、久松さんの所有地ののり面に、
二列にバラバラに建てられていた。
倒れそうになっていたり、この春に倒れたものも。
埋もれかけている信仰碑のことが、「3、4年前から気になっていた」
という久松さんは一念発起、移設に動いた。

建立者が分かっている他の三家の了承を得て、
のり面下の自分の所有地に信仰碑をまとめて建て直すことが実現。
移設する際、土に埋まっていた六地蔵の一体の頭が出てきた。
人目に触れる場所に移されて、お地蔵様も心なしかうれしそうな表情。
移設工事は業者が行い、今月、宮司に依頼し落成式を行った。

「もう一回地震が来て転んだら最後、碑は二つにも三つにも
割れてしまう。移設して良かった。拝みやすくなりました」と
大願を果たした久松さんは穏やかな笑顔で語る。

http://www.tohkaishimpo.com/index.html

0 件のコメント: