2009年9月24日木曜日

東京五輪:招致の底流/上 民主と自民に温度差

(毎日 9月17日)

東京、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリードが立候補している
16年夏季五輪の開催地が来月2日、
デンマークで行われる国際オリンピック委員会(IOC)総会で決まる。
52年ぶりの五輪開催を目指す東京は、
何をどう訴え、どう受け止められてきたのか?
さまざまな思惑が交錯する「本命なき招致レース」の底流を探った。

「五輪に反対しているわけじゃないが、鳩山さんが行って負けたら、
責任を取らされることになる」
民主党衆院議員の一人は新政権発足を控えた9日、
鳩山由紀夫首相のIOC総会出席について慎重な姿勢を示した。

五輪開催地を決めるIOC総会の招致演説は、
国家元首や国際的著名人が登場するケースが目立つ。
ソチ(ロシア)が評価報告書で優勢だった平昌(韓国)に
逆転勝利を収めた14年冬季五輪招致は、
プーチン大統領(当時)の演説が決め手に。

石原慎太郎都知事は、鳩山首相の出席を要請しているが、
実現するかどうか決まっていない。

東京都議会の民主は以前から、建設費931億円を計上している
新設の五輪スタジアムが過大投資になる恐れがあると主張。
民主都議の一人は、「既存の国立競技場を改修して使用すべき。
そもそもオリンピックは(知事3期目の)石原さんと自民の公約。
自民がメーンでやればいい」と距離を置く。

オリンピック評論家の伊藤公さんは、
「民主は、招致に積極賛成ではない。
麻生内閣の時に国の財政保証をしたし、IOCの印象はよくない」

自民党は、スポーツ振興を「国家戦略の一環」と位置づけ、
マニフェストでも「2016年東京オリンピック・パラリンピックを
国を挙げて招致する」とうたった。

76年モントリオール五輪クレー射撃代表の麻生太郎前首相ら
自民の支援を受け、五輪招致を起爆剤に
スポーツ関連予算の充実を目指してきた

JOCの市原則之専務理事は、
「(国立競技場を使用した)64年大会と比べ、
五輪の大会規模が3倍になっている。
説明すれば、分かってくれる」と語るが、残された時間は少ない。

今年3月、五輪招致支持の国会決議は、
民主を含む超党派で行われた。
日本体育協会会長の森喜朗・元首相(自民)は、
「どういう政権になっても、スポーツは大事。
(鳩山さん)本人もスポーツが嫌いなわけじゃない」と
五輪招致への理解を訴える。

鳩山首相が東京五輪に関して、
今後どんなメッセージを発信するのか?
その影響は大きい。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2009/09/17/20090917ddm035050014000c.html

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