2009年9月25日金曜日

自殺予防週間に合わせ防止活動に力を入れる保健師、平谷国子さん

(2009年9月17日 共同通信社)

「本当に優しくて、まじめに働いていた」父親が
自ら命を絶ったのは、7年前。
自身は保健師として、岩手県の久慈地域で
住民の健康相談などに忙しい日々。

ショックのあまり、「わたしもいつ、どうなってしまうか
不安で眠れなくなった」
つらい思いを誰にも言えず、
「なぜ助けられなかったのか」と自分を責めた。
少しずつ父の死と向き合えるようになった4年前、
職場で自殺予防の担当に。

「父の死を防げなかった自分が、住民の自殺を防げるのか」
悩んだ末に遺族としての思いを、地元の町の広報誌に掲載。
住民が集まる場に足を運んでは、
孤立しがちな高齢者らのケアに力を注いできた。

全国でも自殺率が高い久慈地域全体の対策にもかかわり、
遺族の支援活動や、警察・自治体などとの
ネットワークづくりに参加。
近年では一定の効果があり、「予防のモデルケース」として注目。
「自殺対策は、地域づくりそのものだと、実感」

年間の自殺者数は、1998年から11年連続で3万人を突破。
予防への機運は高まっているが、実務の現場では、
「具体的に何をすればいいのか迷う」との声も。
最近は、予防策がテーマの学会や研修会に招かれ、
遺族・保健師としての経験を率直に語っている。

「遺族に対して、身構えることは何もない。
ただ寄り添って話しを聞いてもらえたら十分。
それが、自殺への偏見を少しでもなくすことにつながる」
岩手県出身。37歳。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/9/17/107867/

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