(毎日 9月12日)
奈良県生駒市にある高校の体育館、
平日の午後7時過ぎ、20~30代の男たちが集まってきた。
10月開幕のハンドボールの新リーグ「チャレンジ・ディビジョン」
に参加する八光自動車(大阪)の選手たち。
外車を扱う販売店で、勤務を終えた後だった。
福島剛志監督は、「試合数が少ない僕たちにとっては、
格好の武者修行の場」と新リーグを歓迎。
八光自動車は約20年前、池田淳八社長が経験者だったため結成。
従業員180人のうち、選手12人の多くは週末が多忙な店舗で働く。
ほぼ毎週末、試合が組まれる日本リーグに加盟するのは不可能。
これまで試合は、全日本実業団選手権やジャパンオープン、
国体などのトーナメント戦主体。
これでは試合数が少なく、本格的な強化は難しい。
76年設立の日本リーグは、チームの減少に頭を抱える。
ピークだった98~99年、2部を合わせて男女計30チームが参加。
その後チームの減少が止まらず、翌シーズンから女子2部が廃止。
男子2部も、05~06年で打ち切られた。
今季は男子8チーム、女子6チーム。
新リーグ構想は今年1月、ホンダの日本リーグ撤退表明を
きっかけに検討が始まった。
日本リーグ機構の茂木均事務局長は、
「強化、育成のためにも(トップとは別の)リーグ戦が必要」
企業チームだけでは数が足りず、大学や国体強化のための
クラブチームにも声をかけたところ、
10件以上からの問い合わせがあるほどの反応。
新リーグは、今季は男子のみ計11チームの開催、
来年2月まで月1度のペースでリーグ戦を繰り広げる。
会場は、チームの体育館などを借り、リーグに対する負担金も、
日本リーグの年間約500万円(男子)とはけた違いの2万円。
川上憲太・日本ハンドボール協会専務理事は、
「新リーグで勝てば、日本リーグに昇格するということはないが、
日本リーグでやれるチームを育てる場にしたい」
北京五輪アジア予選の「中東の笛」や、宮崎大輔選手の活躍で
注目を集めた日本のハンドボール界。
国内のトップチームに目を向けると、不況などの影響で
強化や育成に視野が開けないのが現状。
低迷を打開しようと新たな試みを模索する動きを追った。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
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