(毎日 12月19日)
高松市香川総合体育館。
男子バスケットボール、bjリーグの高松-福岡戦が
終わったコートに、軍手をはめた観客約40人が集まった。
組み立て式の床面や観客席などの撤収作業を1時間余りで終え、
「お疲れ様」と声を掛け合って家路に。
高松は、リーグ創設2季目の06~07年シーズンから参戦、
今季が4季目。
地元の穴吹工務店がオーナーとメーンスポンサーを兼ね、
財政的に恵まれた。
会場でのにぎやかな演出や選手の待遇等も、リーグ屈指。
建設不況で経営が悪化、昨季限りでスポンサーから撤退。
球団は、地元の幅広い企業に支援を求めて営業活動を
進めたが、難航。
今年8月、収入が約8000万円不足し、
今季の参戦を見送る可能性を公表。
元二俊朗球団代表は、「チーム創設時から自立採算への移行は
予定していたが、景気低迷と重なりタイミングが悪かった」
その後、支出削減やスポンサー獲得などで、
不足見込みを約5500万円まで圧縮。
開幕が半月後に迫った9月25日に、ようやく参戦を発表。
選手の年俸は、昨季よりもカット。
主催試合は、主に約3000人収容の高松市総合体育館を使い、
1試合あたり約500万円を費やしていたが、
今季は音響や照明などの演出を最小限に抑制。
26試合中10試合は、市中心部から約10キロ離れ、
収容人数もほぼ半分の香川総合体育館に移し、
経費を半額以下に抑えた。
1口1万円の個人スポンサー制度も導入し、現在約560口を集めた。
試合のコートの周囲には、賛同者の名前を記した
ステッカーがずらりと張られる。
ブースター(bjのファンの呼称)も協力に乗り出し、
募金や署名などを進めた。
試合運営のボランティアもその一つ。
前日の設営、当日のチケットのもぎり、終了後の撤収など。
球団が、アルバイトを雇う人件費が減る上、短時間で撤収が
終わるため、会場使用料を抑える効果も生んでいる。
同様のボランティアは、bjの他球団では以前から行われている。
ブースターのグループ「ちーむ・アロぶる。ブースターズ。」の
宮西育代さんは、「これまでは試合を応援するだけ。
今は、試合に至る過程にも関心がある。
球団の危機で、チームとブースターの距離が縮まり、
かえって良かったかも」
球団は、スポンサーやチケットの営業も含め、努力を重ねる。
赤字見込みを解消するには、まだ遠い。
元二代表は、「決定打はない。少しずつ地域に浸透し、
さらに支援を得られるチームになるしかない」。
形になり始めた地域の動きを支えに、模索が続く。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2009/12/19/20091219ddm035050086000c.html
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