2010年8月15日日曜日

ストレスに対し抗うつ作用 特定タンパク質、群馬大

(2010年8月4日 共同通信社)

脳の神経細胞にある特定のタンパク質が、
外界からのストレスに反応し、うつ病にならないよう
脳を守っている可能性が高いとのマウスでの研究結果を、
的崎尚群馬大客員教授(神戸大教授、生化学)ら
米神経科学会誌に4日、発表。

的崎教授は、「うつ病の原因の理解や、
新たな治療薬の開発が期待できる」

このタンパク質は、細胞表面にある「SIRPα」。
別のタンパク質「CD47」と結合、細胞外の信号を
受け取って伝えるが、役割は不明だった。

的崎教授らは、遺伝子操作でSIRPαを持たないマウスを作り実験。
足の届かない水槽で、強制的に泳がせてストレスを与えると、
逃げられないと絶望して暴れるのをやめる「無動時間」が、
正常なマウスに比べ長かった。
CD47を持たないマウスでも同様の結果で、強いうつ傾向を示した。

正常マウスでは、こうしたストレスを受けると、
ストレスの応答で重要とされる海馬や扁桃体などの領域で、
SIRPαにリン酸が付け加わる「リン酸化」が起きていたが、
CD47を持たないマウスでは、リン酸化が弱かった。

的崎教授らは、SIRPαがCD47と結合、リン酸化し、
ストレスから脳を守っていると結論づけた。
今後、リン酸化が脳を守る仕組みの解明を進める。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/8/4/123645/

0 件のコメント: