2010年10月14日木曜日

部活新時代(6)夢追い クラブも選択肢

(読売 10月1日)

「パスミスに気をつけろ」。
照明のともった横浜市中区の大鳥中学のグラウンドに、
サッカーボールを追いかける子どもたちの元気な声が響きわたる。

同市を中心に活動するスポーツクラブ
「横浜スポーツ&カルチャークラブ(YSCC)」の中学生ら約40人。

YSCCは、地域に根ざした多世代型のスポーツクラブ。
創立は1986年、もともとはサッカークラブだったが、
2006年、地域総合型クラブへ移行。
幼稚園児から高齢者まで約800人が、テニス、バドミントンなど
様々なスポーツを楽しんでいる。

サッカーをする中学生は約75人。
1年生は、リフティングなど基礎をメーンに、3年生になると、
戦術など応用主体のメニューを組む。
指導にあたるのは、サッカー経験の豊富な3人のコーチ。
「きめの細かい指導は、クラブならではのもの」、
理事長の吉野次郎さん(45)。

学校の部活だと、指導者は教員異動があると代わってしまう。
指導の目も届きにくく、1年は球拾いというケースも少なくないが、
クラブならそういうことはない。

「夢はJリーガー。だから技術をしっかり磨きたい」、
1年の杉山義君(13)の自宅は、東京都町田市。
週5回の練習に、電車とバスを乗り継いで1時間半以上かけて通ってくる。

父の雅晴さん(37)も、夢を応援する。
義君の通う中学のサッカー部について、以前、選手が足りずに
他部から人集めしたこともあるなど、
あまり盛んでない実情を知ったことも後押しに。

日本クラブユースサッカー連盟によると、クラブチームに加入する
中学生は2010年度、5万373人、00年度の2万1661人から倍増。

同連盟の真田幸明理事長(50)は、
「Jリーグができ、プロへの道が開けたため」と背景を説明。

日本中学校体育連盟の菊山直幸事務局長(61)は、部活について、
「学校教育の一環として、友だち作りの方法や集団生活のルールを
習得できる」と意義を強調。
「プロを目指したクラブで、夢破れて部活に戻る子もいる」

YSCCの吉野理事長は、グラウンドを借りている同中で、
今年から週1回、部活のサッカー部をボランティアで指導。
技術指導のできる顧問が、教員異動でいなくなったため。
新しい顧問の藤田恵輔教諭(23)は、
クラブと部活が補い合い、共存するのが大切。
選択肢があることが、子どもたちにとって良いことなのだから

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101001-OYT8T00171.htm

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