2010年12月7日火曜日

ATP合成酵素 岩手医大、仕組み解明 秒単位で回転・停止

(2010年12月3日 毎日新聞社)

岩手医大薬学部と米バージニア大医学部の共同研究グループが、
生命活動のエネルギー源となる物質「ATP)」を生み出す酵素が、
自ら回転と停止を繰り返す仕組みを持つことを発見。
将来、がん細胞などの増殖を抑える医薬品の開発に役立つ
可能性がある。

ATPは、糖を分解してエネルギーに変える過程に作られる。
生物は筋肉などの部位で、ATPを分解することで
生命活動に必要なエネルギーを得ている。

ATPは、ミトコンドリアにある酵素の回転運動により合成。
継続的に回転していると思われたが、同グループは酵素を1分子ずつ
特殊な顕微鏡と高性能カメラを使って観察し、
酵素が秒単位で回転と停止を繰り返していることを発見。

停止には、酵素を構成する「イプシロンサブユニット」という部位が
働いていることも分かった。
回転を止めれば、ATPも合成できないため、
ATP合成酵素を持つがん細胞や病原菌の活動抑制に
応用できる可能性がある。

研究成果は今年10月、米国の医学生物学分野の学会誌
「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」に発表。

岩手医大薬学部の関谷瑞樹助教は、
「酵素は、継続的に動いていると考えていたため、とても驚いた。
新薬開発の一つのきっかけになればいい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129253/

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