2010年12月5日日曜日

嫌な臭いを線虫が学習 大阪大、新薬開発にも

(2010年12月1日 共同通信社)

体長約1mm、ごく小さな線虫が、1度嫌いな臭いを感知すると、
再びこの臭いにさらされた際、より遠くへ逃げるように学習することを、
大阪大や国立遺伝学研究所のチームが明らかに。
1日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に掲載。

学習には、脳内で働く神経伝達物質「ドーパミン」が
重要な働きをしていた。
大阪大の木村幸太郎特任准教授は、
「神経細胞が302個しかなく、遺伝子の解析も容易な線虫を使えば、
学習などの複雑な神経機能を簡単に調べられ、
抗精神病薬の作用機構の解明や新薬開発に役立つ」

チームは、線虫が嫌がる臭いのする有機物質を使って実験。
低濃度の有機物質に、事前に1時間さらして学習させた線虫を、
再び高濃度の有機物質の近くに置くと、
学習していない線虫に比べ、約1・5倍遠くへ逃げた。

遺伝子の突然変異で、ドーパミンの機能が失われている線虫では、
臭いを学習しないことが判明。
正常な線虫でも、ドーパミンの働きを抑える薬を与えると
学習しないことが分かった。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/1/129101/

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