2010年12月8日水曜日

いのちの灯文化賞 旧沢内村の高齢者医療費無料化半世紀を記念 NPOが創設

(2010年12月4日 毎日新聞社)

故深沢晟雄村長の下、旧沢内村(現西和賀町)が、
高齢者の医療費無料化を実施、今年で50年を迎えたことを受け、
同町の2NPO法人が、生命を尊重する活動をしている
個人や団体に贈る「いのちの灯文化賞」を創設。

第1回の受賞者には、一関市在住の作家で、
伝記「村長ありき」等の著作を通じ、深沢氏の理念を全国に伝えた、
及川和男さん(77)が選ばれた。

賞を創設したのは、輝け「いのち」ネットワークと、深沢晟雄の会。
1961年、60歳以上と1歳未満の乳児の医療費を無料化し、
翌年には全国の自治体で初めて乳児死亡率0を達成するなどした
事績の伝承などをしている両団体が、今年1月ごろから検討を始めた。

いのちネットの高橋典成理事は、児童虐待死や自殺の増加などの
問題から、「自分の力だけで生きていけない人たちに、
手を差しのべられない社会になってきている」
表彰を、命を大切にする社会をつくるきっかけにしようと考えた。

初回の受賞者には、著作で深沢氏の実績を広めたことを評価し、
及川さんを選んだ。

及川さんは、県内で銀行員をしながら同人誌などに寄稿していた
60年代初め、旧沢内村の業績を知った。
自身も、県北の無医村で幼少期を過ごしたことから感動。
「いつか深沢村長について本を書きたい」と思うようになった。

銀行を退職後、82年から約2年をかけて取材を重ね、
「村長ありき」を書き上げた。
出版社を変えながら3度出版、多くの読者を獲得し、
深沢村長の奮闘を描く映画「いのちの山河」(09年)の原作に。

授賞を受けて、及川さんは、「人間の生命が軽く扱われるようになった
現代社会では、生命尊重はより重要度を増している。
今後も沢内の理念を広げたい」
授賞式は4日午後1時から、西和賀町沢内の「深沢晟雄資料館」で。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/6/129314/

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