2010年12月8日水曜日

総合学習を生かす(7)地域ボランティアが講師

(読売 12月1日)

伊達政宗の正室・愛姫、自由民権運動で知られる
元衆議院議長の河野広中……。
郷土の偉人ゆかりの史跡の写真が、スクリーンに映し出される。

福島県三春町立三春小学校6年生の総合学習の時間で、
「三春の歴史を学ぼう」と題した授業。

講師を務めたのは、平安時代の将軍、坂上田村麻呂伝説を生かし、
地元の田村郡で観光振興に取り組む田村歴史観光協議会副会長の
影山勝夫さん(66)。
戦国時代から現代に至るまでの歴史を、1時間以上も熱っぽく語り、
「54年前、自分も地元の人から城下町・三春町のことを習った。
みなさんも、三春町を誇りにしてください」と訴えた。

同小が掲げる総合学習のテーマは、「三春大好き」で、
学年別に郷土・福祉(3年)、国際理解(4年)、自然・環境(5年)と
切り口が違う。
6年生は、歴史・文化という視点の
「これまでの三春町を見つめて未来を考える」

総合学習を支えているのは、地域ボランティア。
昨年度は100人以上の校外講師が、戦争体験を語ったり
伝統の太鼓を指導したりした。

講師の話は教科書より説得力があり、児童だけでなく
教師も勉強になると好評。
高橋正美校長(58)は、「講師は総合学習に欠かせない存在。
街の色々な人と児童がかかわりを持てる」

100人を超える地域ボランティアの人選を行うのは、
「三春小学校学習支援ボランティアコーディネーター会」(通称サンボラ)。
「学校で教えたい」と思っていた地域のボランティアが、
2003年の総合学習開始に合わせて作った組織。

サンボラは、PTAや地域の学識経験者で作る学校運営協議会とは
別組織で、現在のメンバー10人は元PTAや町のボランティア関係者。
教師と一緒に、年度初めに年間計画を立てた後、
奇数月の第3火曜日に会合を開き、総合学習の授業内容を練り、
校外から招く講師の人選を行う。

設立当初からサンボラという降矢由美子さん(60)は、
「児童から手紙をもらったり、町であいさつされたりする。
参加するのは楽しい」
総合学習の講師は人気で、お呼びがかからないと、
「何で声がかからないのか」とボランティアから電話がかかることも。

地域のボランティアの積極参加が、総合学習を実りの多いものにしている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101201-OYT8T00263.htm

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