2010年12月9日木曜日

日立がHDDやエアコンからレアアース回収技術開発

(サイエンスポータル 2010年12月7日)

使用済みのハードディスクドライブ(HDD)のモータやエアコンなどの
コンプレッサーから、レアアース磁石をリサイクルする技術を、
日立製作所が開発。

コストや回収率を試算した上で、2013年をめどに
リサイクルの本格稼動を目指す。

レアアース磁石は、強い磁力を持たせるためネオジムを、
耐熱性能向上のため、ジスプロシウムを鉄に加えた合金。
ネオジム、ジスプロシウムはレアアースと呼ばれ、
産出量の約97%を中国が占め、
資源確保の観点からにわかに大きな問題。

日立が開発した技術は、レアアース磁石の分離・回収の効率が
HDDの場合、現在の手作業より約8倍高く、従来、分解が困難だった
コンプレッサーについても、新たに切断装置や脱磁装置などを開発し、
高効率で安全な分離・回収を可能。

HDDの分解装置は、振動を与えてネジをゆるませる方法を採用。
コンプレッサーは、切断装置と抜き取り装置で、
レアアース磁石を含むローター(回転子)を分離、
その後振動を与えてレアアース磁石だけを分離・回収する。

レアアース磁石からのネオジムとジスプロシウムの抽出は、
岡部徹・東京大学生産技術研究所教授との共同研究で、
酸などの化学薬品を使わない、新たなレアアース抽出技術の実験に成功。

ネオジムやジスプロシウムと親和性の高い特定の抽出媒体を用い、
最終的に加熱して抽出媒体を蒸留させることで、
レアアースの合金だけを取り出すことができる。

この技術開発成果は、経済産業省の
「平成21年度新資源循環推進事業費補助金
(都市資源循環推進事業-高性能磁石モータ等からの
レアアースリサイクル技術開発)」を受け、
昨年10月から開発を始めた結果、得られた。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012071.html

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