2008年10月16日木曜日

バイオ燃料「環境への貢献大きくない」 FAOが指摘

(朝日 2008年10月9日)

国連食糧農業機関(FAO)は、08年の「世界食料農業白書」を発表、
食糧価格高騰の一因とされるバイオ燃料について、
「現状では、温暖化ガス排出抑制への貢献は期待されたほど大きくない」
補助金などで、自国での生産の促進を図る
一部先進国の拡大政策を見直すよう求めた。

「世界食料農業白書」は、FAOの活動の基となる年次報告。
今年は、6月の食糧サミットで、バイオ燃料が各国の食糧輸出規制とともに
焦点となったことから、その温暖化対策としての効果と食糧危機への影響の
分析が中心となった。

白書は、バイオ燃料が原料のトウモロコシなどの生育過程で
温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収するとされる点について、
環境への効果は製造に費やされる電力や地域条件によって異なると指摘。

温暖化対策としての効果も、現状の技術では原料作物の耕作地に
緑地や森林が転用されることでかなり相殺され、
作物によっては結果的に石油などの化石燃料を使用するより、
温暖化ガスを増やす可能性さえある。

食糧以外の原料を使う第2世代を含むバイオ燃料全体の将来性にも触れ、
「危険と同時に可能性がある」と指摘。
ディウフFAO事務局長は、「恩恵は広く共有する必要がある」として、
先進国がバイオ燃料の自国での生産拡大のために導入する補助金など、
「途上国が市場に参加する機会を妨げている」と撤廃を求めた。

http://www.asahi.com/eco/TKY200810090271.html

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