2009年1月12日月曜日

新大船渡魚市場整備 総事業費50億円超

(東海新報 1月9日)

20年度内に着工となる新大船渡魚市場整備で、
大船渡市は建物の建築、電気設備、給排水・空調の各工事において
市内業者を中心に発注することを決めた。

整備費は、総額で50億円超、大部分が今回発注の工事費となる。
数十億円規模の大型事業を地元業者に限定した形で発注するケースは
市内では珍しく、整備における経済効果も注目。

入札は27日に行われ、議会などでの承認を経て、年度内に着工。
新施設の営業開始は22年内を目指し、その後の展示施設工事などを経て、
最終的な整備完了時期は23年となっている。

整備には、人工地盤などの工事で一部県事業も含まれているが、
市が一括して発注、施工を行う。
工事発注は、
魚市場施設などの建築、電気設備、給排水・空調――の3種類。

建築工事は、市営建設工事参加者名簿に登録している業者のうち、
建築工事A級(標準発注額3600万円以上)の8業者を対象とし、
2業者でのJV(特定共同企業体)を組んでの参加。
最大4企業体による入札となる。

電気設備工事は、同じく電気工事A級(同1000万円以上)に登録している
6業者(共同企業体を含む)が対象。
一業者ごと単独で入札に参加できる。

給排水・空調については、東北管内の大手1社と地元業者2社でのJVとなる。
地元業者は水道工事名簿に登録し、配水設備工事指定などを受けている
11業者が対象で、最大で5企業体による競争。

入札にあたって、市では市営建設工事入札資格者審査委員会などを開き、
選考方法を協議。地元企業の育成や技術力向上といった考えのほか、
市内業者も整備実績があり、施工できると判断。
JVとなっても競争性が確保できるため、市内業者を中心とした入札方針。

整備における総事業費の概算は、50億円超。
市では詳細を明らかにしていないが、総事業費のうち大部分が
今回の工事費に回るとみられる。

市内で数十億円規模の工事が行われる際、大手ゼネコンが主導する形が
多い中、市内業者が中心となった事業としては過去に例がない大規模なもの。

魚市場整備については、大船渡商工会議所が昨年8月、
市に対して魚市場事業を含む市発注工事を地元業者に優先発注するよう
要望書を提出。
資材価格高騰や発注量減に伴う建設業界の厳しい情勢を訴え、理解を求めた。

気仙3市町の建設業者53社で構成する県建設業協会大船渡支部の
金野健支部長は、「市内業者としては、かつてないほどの大型事業。
請け負った業者だけでなく下請け、資材業者などへの波及効果もあり、
公共事業が削減している今日においてはとても喜ばしい」。

市財政課は、「規模が大きく、要求される技術度も高いが、
地元業者も実績を積み重ねており、施工できると判断した。
地元経済への良い効果も期待している」

http://www.tohkaishimpo.com/

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