(毎日 1月12日)
スバルブランドの自動車メーカーとしてファンの多い富士重工業が、
環境対応を加速。
09年、三菱自動車と並んで電気自動車(EV)を市場投入。
主力車「スバルレガシィ」などの燃費向上にも取り組む。
航空機メーカーでもある同社は、「航空技術を生かした風力発電システムを
量産し、自然エネルギーでEVを動かす」究極のエコを目指す。
--自動車の環境対応は?
◆スバルはどちらかというと「走り」は良いが、燃費はあまり良くないという
イメージがあったが、燃費はかなり向上。
走りの良さを維持しながら、どう環境対応していくかが一番のポイント。
--具体的には?
◆いくつかの段階があるが、次期モデルに新しい「水平対向エンジン」を開発、
10年には投入。
高効率のCVT(無段変速機)も、09年に投入し、
現行車より少し大きな車体でも、燃費を10~20%良くする。
--09年はEV元年になりそう。
◆100台を超える軽のEVを、自治体や民間企業などに提供。
我々は将来的に、近距離を走る軽はEVになると見ており、力を入れている。
三菱自動車と切磋琢磨するのはよいこと。
--ガソリン車の軽から撤退しても、EVは進めるのか?
◆現行の軽の生産は、09年から徐々に撤退するが、
当面は自社の車体を使ってEVを完成。
その先は未定だが、自社か提携先の車体を使うにしても、
スバルのEVの技術は生き残ることに。
提携先のトヨタ自動車やダイハツ工業に、
EVのシステムを提供することも考えられる。
--ディーゼルなどとのすみ分けは?
◆欧州で先行発売したディーゼルのレガシィは、満タンにすると1000キロ走る。
もしも1000キロ走るEVを作るなら、ものすごい量の電池を積まないといけない。
長距離はディーゼル、近距離はEV、中間がハイブリッドというすみ分けになる。
--風力発電とEVを両方進める狙いは?
◆抵抗が少なく、台風などにも強い風車を航空技術を生かして開発。
社会貢献として、電気を使うだけでなく、作る方にも取り組む。
風力で発電してEVを動かし、走行エネルギーを減速時に回収するのが理想。
水平対向エンジンのハイブリッド車の開発も、トヨタと進めている。
世界ラリー選手権(WRC)から撤退するが、
ディーゼルやEVなどで戦うモータースポーツが始まれば、参戦する可能性も。
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◇もり・いくお
早稲田大理工卒、70年富士重工業入社。
米国駐在、海外生産推進部長、海外営業本部長、常務執行役などを経て
06年6月から現職。高知県出身。61歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/01/12/20090112ddm008020009000c.html
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