(朝日 2009年3月6日)
米テキサス大のチームが、盗作が疑われる医学論文約200本を
見つけ出し、著者や編集者に見解を問いただした。
「盗作された側」は、「露骨な盗作」とあきれかえるが、
「盗作した側」は、「先に論文が出ていたとは知らなかった」と言い訳。
こうした盗作の実態が明らかになるのは珍しい。
6日付の米科学誌サイエンスが掲載。
チームは、米国立医学図書館が運営する医学・生命科学の
論文データベースを対象に、独自開発のプログラムを使って
表現の相似性を調べ、著者が異なっていた約9千本を抽出。
実際に論文を読んで、212本を「盗作の可能性がある」と判断。
著者や掲載紙の編集者と、連絡のとれた163本について
電子メールでアンケートを行った。
「盗作された側」の著者からは、「こんな露骨な盗作は初めて」、
「科学者として受け入れたくない」など厳しい反応が多い。
「盗作した側」は、「データ借用の許可をとらなかったことは謝罪したい」
などの釈明が目立った。
「なぜ私の名前があるのかわからない」、
「学生が書いた論文で研究室をやめてもらった」など、
かかわりを否定するコメントも。
83本の論文について、アンケートをきっかけに編集者が内部調査を実施、
46本は「取り下げ」の形で不備を認めたが、
半分近くでは何の対応もとられなかった。
アンケートは、匿名を条件にしており、日本人がかかわっているかは不明。
調査で使ったデータベースは、世界80カ国以上の約5200の
学術雑誌の論文を収録。
http://www.asahi.com/science/update/0305/TKY200903050322.html
0 件のコメント:
コメントを投稿