2009年3月16日月曜日

疑惑の論文200本発見 米大が盗作探知プログラム開発

(朝日 2009年3月6日)

米テキサス大のチームが、盗作が疑われる医学論文約200本を
見つけ出し、著者や編集者に見解を問いただした。
「盗作された側」は、「露骨な盗作」とあきれかえるが、
「盗作した側」は、「先に論文が出ていたとは知らなかった」と言い訳。
こうした盗作の実態が明らかになるのは珍しい。
6日付の米科学誌サイエンスが掲載。

チームは、米国立医学図書館が運営する医学・生命科学の
論文データベースを対象に、独自開発のプログラムを使って
表現の相似性を調べ、著者が異なっていた約9千本を抽出。
実際に論文を読んで、212本を「盗作の可能性がある」と判断。

著者や掲載紙の編集者と、連絡のとれた163本について
電子メールでアンケートを行った。

「盗作された側」の著者からは、「こんな露骨な盗作は初めて」、
「科学者として受け入れたくない」など厳しい反応が多い。
「盗作した側」は、「データ借用の許可をとらなかったことは謝罪したい」
などの釈明が目立った。

「なぜ私の名前があるのかわからない」、
「学生が書いた論文で研究室をやめてもらった」など、
かかわりを否定するコメントも。

83本の論文について、アンケートをきっかけに編集者が内部調査を実施、
46本は「取り下げ」の形で不備を認めたが、
半分近くでは何の対応もとられなかった。
アンケートは、匿名を条件にしており、日本人がかかわっているかは不明。

調査で使ったデータベースは、世界80カ国以上の約5200の
学術雑誌の論文を収録。

http://www.asahi.com/science/update/0305/TKY200903050322.html

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