2009年3月21日土曜日

マラリア予防の蚊帳を開発 アフリカの尊い命救う 住友化学の伊藤高明さん

(2009年3月11日 共同通信社)

防虫効果が5年以上続くマラリア予防の蚊帳「オリセットネット」を開発
アフリカなどで尊い命を救っている。
製品化は1990年代半ばだが、定年間際にようやく脚光を浴びた。
「いい物が必ずしもすぐ売れる訳ではない。
技術者はこれだと思った仕事は、決して手放さない心の余裕が大切」

注目されるようになったきっかけは、2001年の世界保健機関(WHO)のお墨付き。
米国ファンドも、貧困対策として感染症予防が大切だと支援を表明し、
国際的な枠組みができた。
03年、タンザニア企業へ技術を移転、現地に4000人の雇用を生み出した。

蚊帳は、ペット用のノミ取り首輪の技術を応用、
人体に害がない防虫成分を繊維に練り込んで、洗濯しても効果が続く。
風通しを良くするために、網目も広げた。

「船長として、インド洋の夕日を見るのが夢」だったが、
大学は農学部に進学。
会社では、上司の指示で感染症を研究。
「目指した仕事と違うとさえない日々を送っていたある日、
この研究があこがれの海外とつながっていると気付き、猛勉強した

08年、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)では、
福田康夫首相(当時)が民間投資の成功例と紹介。
定年後も再雇用され、使用済みの蚊帳のリサイクル法などの
研究に取り組んでいる。名古屋市出身。60歳。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/3/11/93515/

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