2009年10月6日火曜日

社内運動会で親交、幹事準備に汗 競技種目に配慮を

(日経 9月10日)

従業員同士の親交を深める手段として、
社内運動会が見直されている。
幹事役は、何に留意すべきなのか?

運動会用具を含めたイベント用品をレンタルしている
ダスキンのレントオール事業部の犬童祐治さんに、
成功させるための5つのポイントをまとめてもらった。

まずは、場所の確保。
運動会には屋外のイメージがあるが、天候に左右されない
屋内での開催を検討する企業が増えている。
体育館だけでなく、大型の展示場も選択肢に入れておくとよい。

予約するとき、駐車場の有無や駐車台数、飲食物や
火気の持ち込みの可否、利用できる機材や設備の状況、
使用後の清掃義務などを確認。
特に、機材や設備が会場にある場合、
設置・運搬の手間が省ける利点。

屋外の場合、荒天時のキャンセルの規定を確認する必要。
施設によっては、前日に基準以上の雨量があると、
グラウンドの状態を維持するため、当日晴れていても
利用できないといった規定がある。

次に、プログラム。
小中学校のプログラムをそのまま利用するのも手だが、
注意点がある。
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◆運動会成功のためのチェックリスト

(1)会 場
・トイレ設備有無の確認
・ゴミ収集のルール確認と回収業者手配
・会場内の電源(電気容量)の確認

(2)競 技
・子供向けプログラム作成
・運動会の気分を盛り上げるBGMの準備
・各競技のタイムスケジュールや競技自体に無理はないか?

(3)手配・依頼
・大会中の飲み物の手配
・最寄り駅から会場入り口への誘導
・昼食(弁当)の手配
・競技備品手配
・役員や主催者へスピーチの依頼

(4)制 作
・各競技ごとの簡易レイアウト、競技備品
・担当者とその動きを記入したマニュアルの作成
・開会式と閉会式の台本作成
・大会本部掲出用のタイムスケジュールの作成

(5)決定事項
・雨天時の開催中止のための連絡網
・次競技の参加者招集の方法決定
・当日の参加者の人数把握の方法決定

(6)大会当日
・個人の荷物・貴重品の管理方法や盗難の注意喚起
・大会中のけが・熱中症などの予防アナウンス
・会場利用にあたっての禁止事項のアナウンス
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参加者の年齢や運動量を把握すること。
デスクワーク中心の中高年が大半を占める運動会であれば、
徒競走やリレーなどは控えた方が無難。
会場が狭いと、コーナーが急になり転倒しやすくなる。

チーム対抗にするのなら、借り物競争や障害物競走など、
運動能力以外の部分で勝敗が決まりやすい競技がよい。
体を動かすことにこだわらなくてもよい。
全員参加の「○×クイズ」、観客も楽しめる景品争奪の
「フルーツバスケット」、日ごろのうっ憤を晴らす「大声コンテスト」など
盛り込んでおくと、飽きられない。

3つめのポイントは、参加者への告知。
効果的な告知方法にはどのようなものがあるのか?

まず、社内メールや朝礼などで開催日時をできる限り
早く知らせるのが基本。
そのうえで案内状を配ると効果的。
運動会のプログラムや家族も参加できるアトラクションを紹介、
記念品がもらえる抽選券を付けておくと、注目度はぐっと高まる。

案内状の一部を参加申込書にし、切り離して提出してもらえば、
当日にどれだけの人が来るのかが事前にわかる。

4つめのポイントは、家族連れ対策。
参加率を上げるには、小さな子どもを持つ従業員にも
楽しめるようにするのが欠かせない。
子どもが飽きないようにするには、どのように工夫すればよいか?

会場に、キッズコーナーを設けておくとよい。
屋外であれば、日よけ用のテントを設置し、
その下にタイルマットなどを敷き詰める。
簡単な遊具やアニメの本などを準備しておくだけでもかなり効果。

予算に余裕があれば、縁日コーナーや大型のエア遊具などを
設置すれば、大人も一緒に参加できるアミューズメントコーナーとなり、
楽しさを演出できる。
子どもを預かるのであれば、十分に管理できるスタッフが必要。

最後に、忘れてはならないのがけが人や病人への対応。
競技に張り切りすぎて、思わぬけがをしてしまう人も。
天気によっては、熱中症にかかる人も。

けがを防ぐには、準備体操を念入りに行う必要。
プログラムに、必ず準備体操の時間を設けたい。
懐かしのラジオ体操を社内の担当者が行っても、あまり意味がない。

フィットネスクラブからエアロビクスのインストラクターを呼んで、
明るい音楽と軽快なトークで運動。
会場の雰囲気も良くなるし、特にけがをしやすい
アキレスけんなどを重点的にほぐせる。

屋外開催の場合、熱中症対策として、水分補給のための飲み物を
十分に準備し、テントを設置して日陰を設けておく。

万が一の事態に備えた対策も必要。
会場の最寄りの医療機関と相談し、看護師に常駐してもらうのがベスト。
救急箱や氷、担架は準備。
通院や手術が必要なけがに備え、傷害保険にも加入しておくべき。

多くの参加者から、「また開催してほしい」といわれる運動会に
するのは大変。
事前準備をきっちり行っておけば、楽しい運動会になるだろう。

◆いんどう・ゆうじ

約9年間にわたりイベントの企画に携わった経験を生かし、
ダスキンのレントオール事業部のプロモーション業務を担当。
総合情報サイト「オールアバウト」で、「イベント・幹事のコツ」の
ガイドとして連載記事を執筆。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090909.html

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