(朝日 2009年10月3日)
IOC総会の投票で、16年夏季五輪の開催地は
リオデジャネイロとなり、東京の夢はかなわなかった。
招致表明から4年、環境を前面に押し出したが、
IOC委員の心はつかみきれなかった。
日本の夏季五輪招致は、名古屋、大阪に続いて3回連続で失敗。
南米初の五輪開催という歴史に名を残すことになった
リオデジャネイロだが、課題は少なくない。
サッカーの14年W杯も控える中、最大のハードルは治安維持。
犯罪の温床であるスラム街「ファベーラ」は、市内各地に点在、
その数は1千程度。
競技会場は海に近い場所、内陸部など主に四つの地域に分かれ、
会場の近くにもファベーラがある。
リオ市の人口の6分の1に当たる100万人がその住人。
そのため、躍起になって治安回復に取り組んでいる。
リオ当局は、昨年11月から日本をモデルにした
リオ風の交番を設置。
犯罪の多いファベーラでギャングを一掃し、
24時間体制で警察官が常駐。
日本で1カ月、交番の研修を受けた者も。
警察官は、住民と人間関係を築き、子供にサッカーなどの
スポーツも指導。
この試みは、犯罪発生の抑制に一定の成果をあげ、
IOCの評価報告書でも評価。
08年、リオデジャネイロ州で起きた殺人事件は5717件、
警察とギャングの撃ち合いの巻き添えなどで1137人が死亡、
治安がどこまで保障されるのか不透明。
もう一つの宿泊施設の不足は、大型のホテルを3つ新設、
2つを拡張するなどして補う。
リオの招致委は、「IOCから必要とされた4万部屋を
30%上回る5万2800部屋が確保できる見通しになった」
交通アクセスも懸念、開催期間中に学校を休校し、
一般車両を制限、地下鉄の延長などで対応する。
インフラ整備も欠かせない。
http://www.asahi.com/sports/spo/TKY200910030004.html
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