(日経 9月26日)
ピアノなど楽器市場の低迷が、国内外で長引きそう。
昨秋リーマン・ショック後、趣味材と言える楽器は
もろに打撃を被った。
音楽は日常生活に根付き、パソコンや携帯情報端末を使うなど、
新しいスタイルで楽しむ動きも広がった。
消費者のニーズをどのように取り込み、成長への道筋を描くのか?
ヤマハの梅村充社長に聞いた。
——国内の消費は冷え込んでいるが、楽器、音楽市場をどうみるか?
「日欧米で楽器、AV機器の販売は減り、
在庫削減に取り組んでいる。
音楽が日本の生活に今後、ますます身近になってくると確信。
プレスリーやビートルズの演奏に親しんだ団塊の世代が
定年退職し、楽器を持とうとする動きがある。
子供、孫と3世代にまたがって演奏や鑑賞をする
ファミリーアンサンブルを提案。
問題は、それをどうビジネスに結びつけるか。
簡単ではないが、ヤマハが伝統として培ってきた価値創造の分野。
楽しみながら需要を掘り起こし、市場を拡大したい」
——音楽ソフトの分野にも力を入れている。
「音楽ソフト市場として、アジアを視野に入れて開拓。
次世代に活躍する有望な若手ミュージシャンを生み出すための
音楽コンテスト、ミュージックレボリューションなどを通じ、
新しいミュージシャンを発掘。
新しいレーベルをどんどん生み出そうと、社内に向けて言っている」
——ネットワーク時代を迎えて、楽器の楽しみ方も変わってきたが。
「自動演奏機能付きのアコースティックピアノ『ディスクラビア』のように、
インターネットを通じて楽曲のデータを取得し、
自宅やレストランなどで生の演奏を楽しめる。
今や自分で演奏するだけでなく、楽しみ方も多様に。
楽器のデザインも重要になる」
——中国などアジア市場開拓もこれからだ。
「中国をはじめ、子供の教育に熱心なアジアは市場として有望。
中国の教育機関とは、エレクトーンの提供などを通じて
長く付き合いがあり、ヤマハ音楽教室の指導者候補を養成。
7月、上海に大規模な教室を開いた。
上海のほか、北京、広州などに教室があり、
現在の生徒数は約3000人。
指導者の育成が前提となるが、2011年3月までには
1万人に増やしたい。
楽器をはじめとして、新興国でのビジネスを伸ばして
会社全体の成長につなげる考え」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090924_2.html
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