(読売 12月7日)
免疫を担うリンパ球が、異物に対抗する多様な抗体を
作り出すのにかかわる重要な遺伝子が、
細菌感染の影響で、リンパ球以外の細胞のDNAを傷つけてしまう
仕組みを、京都大医学研究科の本庶佑・客員教授や
長岡仁・准教授らのチームが解明。
この遺伝子を制御できれば、ピロリ菌による胃がんなどの
予防につながる可能性がある。
7日の米科学誌ネイチャー・イミュノロジー電子版に発表。
この遺伝子は「AID」。
本来、異物を認識したBリンパ球で働き、DNAの部品を
切り張りして抗体作りに貢献。
細菌に感染すると、免疫細胞以外でもDNAを切ってしまうが、
その理由は謎。
本庶教授らは、マウスのDNAを使い、AID遺伝子を制御する
遺伝子が、AIDの周辺にあるか調べた。
その結果、「細菌など外部の刺激でスイッチを入れる部分」と
「リンパ球内だけでスイッチを入れる部分」、
「スイッチをオフする部分」があることがわかった。
リンパ球以外では、通常、スイッチは入らないが、
大量の細菌感染でAIDのスイッチが入ってしまう。
長岡准教授は、「いろいながん発症に、AID遺伝子が
関与しているのかどうか調べたい」
Nat Immunol. 2009 Dec 6. [Epub ahead of print]
B cell-specific and stimulation-responsive enhancers derepress Aicda by overcoming the effects of silencers.
Tran TH, Nakata M, Suzuki K, Begum NA, Shinkura R, Fagarasan S, Honjo T, Nagaoka H.
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091207-OYT1T00134.htm
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