2009年12月14日月曜日

抗体産み出す遺伝子の作用の仕組み解明…京大

(読売 12月7日)

免疫を担うリンパ球が、異物に対抗する多様な抗体を
作り出すのにかかわる重要な遺伝子が、
細菌感染の影響で、リンパ球以外の細胞のDNAを傷つけてしまう
仕組みを、京都大医学研究科の本庶佑・客員教授や
長岡仁・准教授らのチームが解明。

この遺伝子を制御できれば、ピロリ菌による胃がんなどの
予防につながる可能性がある。
7日の米科学誌ネイチャー・イミュノロジー電子版に発表。

この遺伝子は「AID」。
本来、異物を認識したBリンパ球で働き、DNAの部品を
切り張りして抗体作りに貢献。
細菌に感染すると、免疫細胞以外でもDNAを切ってしまうが、
その理由は謎。

本庶教授らは、マウスのDNAを使い、AID遺伝子を制御する
遺伝子が、AIDの周辺にあるか調べた。
その結果、「細菌など外部の刺激でスイッチを入れる部分」と
「リンパ球内だけでスイッチを入れる部分」、
「スイッチをオフする部分」があることがわかった。
リンパ球以外では、通常、スイッチは入らないが、
大量の細菌感染でAIDのスイッチが入ってしまう。

長岡准教授は、「いろいながん発症に、AID遺伝子が
関与しているのかどうか調べたい」

Nat Immunol. 2009 Dec 6. [Epub ahead of print]
B cell-specific and stimulation-responsive enhancers derepress Aicda by overcoming the effects of silencers.
Tran TH, Nakata M, Suzuki K, Begum NA, Shinkura R, Fagarasan S, Honjo T, Nagaoka H.

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091207-OYT1T00134.htm

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