2009年12月19日土曜日

ゲレンデは紫外線にご用心 夏のビーチの2・5倍 雪の反射で目に悪影響

(2009年12月8日 共同通信社)

ゲレンデなど、雪山で目が浴びる有害な紫外線量は、
雪面の反射により夏のビーチの約2・5倍に上ることが、
金沢医大の佐々木洋・教授(眼科学)と医薬品メーカーの
ジョンソン・エンド・ジョンソンの共同調査で分かった。

佐々木教授によると、目の角膜は皮膚よりも
紫外線の影響を受けやすい。
雪山などで、強い紫外線を短時間浴びただけで、
角膜や結膜が炎症を起こす「雪眼炎(雪目)」などの
急性障害が生じ、雪眼炎を繰り返すと、水晶体が白く濁る
「白内障」を発症しやすくなる。

佐々木教授は、「サングラスは、顔とのすき間が大きいと
紫外線を防ぐ十分な効果が得られない恐れがあり、
目を完全に覆うゴーグルが有効」

雪山は、石川県白山市のクロスカントリー競技場の新雪で、
ビーチは沖縄県南城市の人工砂浜で調査。
眼部に紫外線センサーを埋め込んだマネキン頭部2体を、
常に太陽に正面を向けた状態と背を向けた状態で配置、
視線は歩行時の標準的な15度下向きに固定、
日の出から日の入りまで紫外線量を計測。

太陽を正面にした場合、1日に浴びる総量は、
ビーチが1平方メートル当たり換算で260キロジュール、
雪山は658キロジュールに上った。

雪山では、太陽に背を向けた状態でも、
多い時で正面を向いた場合の85%以上の紫外線を浴びる。

気象庁によると、紫外線の反射率は砂浜で10~25%、
新雪は80%に達する。
高度が300メートル上がると、紫外線量は4%増加、
標高が高いスキー場では十分な対策が必要。

▽紫外線

太陽光の中にあり、波長が可視光線より短く、
エックス線よりも長い電磁波。
浴びすぎると、皮膚がんになりやすい。
紫外線による目の障害として、「雪眼炎」や「白内障」、
結膜の白目組織が黒目に広がる「翼状片」など。

成層圏に存在する「オゾン層」が、有害な紫外線の多くを吸収、
地上の生物を保護しているが、近年、フロンなどの排出が原因で
オゾン層が破壊されてできる南極上空の「オゾンホール」など、
有害紫外線の増加が問題。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/8/112713/

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