2009年12月18日金曜日

筋ジスの遺伝子機能修復 人工染色体で、鳥取大など iPSも作製、治療法に道

(2009年12月9日 共同通信社)

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者の細胞で、
働かなくなった遺伝子の機能を修復した上で、
それを基に新型万能細胞(iPS細胞)を作製することに成功、
鳥取大と京都大の研究チームが
8日付の米学会誌電子版(MOLECULAR THERAPY )。

この病気の原因は、X染色体にあるジストロフィン遺伝子の
機能不全だが、この遺伝子はサイズが大きく、
既存のウイルスを"運び屋"に使う方法では遺伝子治療は難しい。

押村光雄・鳥取大教授らは、人工的に作った染色体を
遺伝子の運び屋に使った。

筋ジストロフィーの治療法開発につながる。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、男児の約3500人に1人の
割合で発症する進行性の筋萎縮症。

押村教授らは、人工染色体にジストロフィン遺伝子を搭載し、
筋ジストロフィー患者の線維芽細胞に入れ、
導入したジストロフィン遺伝子が機能。

この細胞からiPS細胞を作ることにも成功。
マウスの精巣に移植する実験で、筋肉細胞に分化することを確認。
こうして作ったiPS細胞を、培養皿などで筋肉細胞に分化させ、
治療に利用できるようにしたい。

人工染色体は、巨大な遺伝子を搭載することができる上、
導入した細胞の染色体には組み込まれず、
染色体を傷付けないなどのメリット。

押村教授は、「いずれも日本発の人工染色体とiPS細胞の技術を
組み合わせて、これまでできなかった筋ジストロフィーの
原因遺伝子の完全修復ができた。
将来の新しい遺伝子治療の第一歩になる」
山中伸弥・京都大教授との共同研究。

▽人工染色体

染色体は、細胞の核の中にあり、生命の遺伝情報が
収められているDNAで構成。
人工的に作製した極小の染色体が、人工染色体。
染色体構造に必要な部品を集めたボトムアップ型と、
元からある染色体を改変したトップダウン型があり、
押村光雄・鳥取大教授らが使ったのはトップダウン型。
どのような遺伝子でも搭載でき、導入した細胞の染色体には
組み込まれず、独立した状態で維持。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/9/112765/

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