2010年6月18日金曜日

広がる6次産業化 県内で30業者着手、70人雇用

(岩手日報 6月9日)

農林水産業が、加工・流通まで取り組む「6次産業化」の
動きが県内で広がっている。
県は2009年度から、6次産業化チャレンジ支援事業を開始。

これまで30業者が新事業に着手、70人の雇用に。
6次産業化は、生産者の収益増や雇用創出などが期待、
国も重点的に推進。
各事業者が創意工夫を凝らし、新たな経営形態が生まれつつある。

県のチャレンジ支援事業は、国のふるさと雇用再生特別基金で実施。
事業計画を公募し、発展性などを審査、
09年度は19業者(16業者は10年度も支援を継続)、
10年度は11業者を採択。

県が事業委託する形で、09年度は50人、10年度は20人を雇用。
人件費など委託費は、09年度が約1億316万円、
10年度が約5675万円で同基金から充てた。
支援事業は11年度まで行う。

09年度に採択された西和賀町沢内の
農事組合法人・銀河の里沢内(柴田照男組合長)は、
従来のシイタケ栽培のほか、地元の農産物を使った
総菜の調理・卸を始めた。
調理師や営業で3人を雇用。
料理業界関係者を相談役に、県内のホテルへ販路を広げている。

野田俊夫総務部長は、「ホテルは、バイキング方式の増加で
調理済みの総菜を求めていた。
今後は、自店販売でも集客できるような商品を開発し、
農家の経営安定化につなげたい」と展望。

10年度に採択された大船渡市三陸町越喜来の
三陸とれたて市場(八木健一郎社長)は、
船上からの漁のインターネット中継と、
水揚げ直後の魚介類の直売が人気。
支援事業を利用し、アユ釣りや山菜採りなどの中継も検討。

八木社長は、「消費者は、産地でしか味わえない感動を求めている。
ITという新しい可能性を地域に定着させ、育てていきたい」

県は同支援事業のほか、マーケティングなど専門家の派遣や
首都圏のバイヤーを紹介するなど、事業をサポート。
県北、沿岸両広域振興局も独自に、6次産業化の補助事業を進める。

県流通課の中南博企画マーケティング担当課長は、
「6次産業化について、まだ行政のノウハウも十分でない。
専門的な人材の育成や連携体制を強化していく」

◆6次産業化とは?

農林水産業で、事業者が生産だけでなく、加工・流通・販売にも
取り組み、生産物の付加価値を高める経営形態。
1次産業(生産)、2次産業(加工)、3次産業(流通、販売など)の
数字を掛けた造語。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100609_14

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