2010年6月14日月曜日

新聞で伸びる(3)生き方・進路のヒント

(読売 5月29日)

「私が紹介するのは、NHKドラマ『坂の上の雲』の
軍人役に抜てきされた人。
競泳選手として2度も五輪に出場しながら、舞台に感動して
俳優になろうと決意し、努力して大役を得たことがすごい…」

新聞の番組紹介欄を読んで、俳優藤本隆宏さんに注目した
栗原桃子さん(11)は、発表でこう話し始めた。
東京都目黒区立油面小学校の5年2組。
「今、輝いている人」を、新聞から見つけ、
みんなの前で発表する授業が行われた。

記事をきっかけに、その人の生い立ちやエピソードを調べる。
どう輝いているのか、見出しや絵を自分で考え、
パソコンを使ってみんなの前で発表する。
授業を考案した担任の鈴木裕二教諭(33)によると、
その際、互いに公平な目で評価させるようにした。

「絵がとても工夫していて良かった」、
「紙を見ずに、しっかり前を向いて話したのがすごい」
声や表情も評価することから、
聞く方の児童たちも採点表を片手に真剣。

鈴木教諭は、「新聞には、様々な分野で活躍する人が載っている。
『へえー、こんな人に関心があるのか』と、
友達の意外な一面に触れた思いもあった」

職業選択をテーマに昨年、1年の社会で新聞を使った
調べ学習をしたのは、東京都武蔵村山市立第五中学校
河太久哉教諭(43、武蔵野市立第二中教諭)。
「いずれ社会へ巣立つ生徒たちが、
今からしっかり考えておくことは意味がある」

ハローワークの職員に話を聞き、働くことの意味を考え、
自分が職業を選ぶ際、何が一番大切かを挙げさせた。
〈1〉収入、〈2〉適性、〈3〉人間関係、〈4〉やりがい、〈5〉安定性――
そんな項目に関心が集まった。

賛同する者同士で班を作り、理由を補強する新聞記事を収集。
家庭にも協力を求め、難しい経済事象は解説してもらい、
切り抜きと主張を整理した「スクラップ新聞」にまとめた。

各班の主張を理解し、最後は各自が自分の考えを書く。
「お金が一番と思っていたが、生きがいも大切だと思うようになった」、
「好きな職業に就くのが幸せと思っていたが、
悩みやつらいことも多いと知った」、
「テレビニュースだけではわからないことを、新聞は教えてくれた」

河教諭は、「新聞を通じて、世の中の動きに関心を持つように
なったのが大きな収穫」と手応え。

新聞は生き方、進路を考える手がかりを与えたようだ。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100529-OYT8T00238.htm

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