2010年6月13日日曜日

新聞で伸びる(2)コラムで いじめ考える

(読売 5月28日)

蠅たちの集まりでは、蝶も「キモイ」と陰口をたたかれるだろう――。

読売新聞朝刊コラム「編集手帳」を使った電車のつり広告。
コラムは、大人になるための条件を前置きにし、
他人にある美しさを認めようとしない風潮や、
個人を誹謗する言葉が書き込まれる「学校裏サイト」に言及。
結びの一節で子どもたちに、別掲のように説いた。

東京都北区立東十条小学校の並木裕子教諭(58)が、
この広告に目を留めたのは、昨年の秋。
このコラムを使って、いじめについて見方を広げ、
人を思いやるやさしい心を育みたいと考えた。

自分の娘が学校時代にいじめにあい、立ち往生した経験もあった。
コラムの全文を取り寄せ、今年初め、まもなく中学へ巣立つ
6年の児童へのメッセージの意味も込め、道徳の時間で教材に。

事前の無記名アンケートでは、過去に「いじめられた」17人、
「いじめた」25人と、多くの児童が両方の立場を
経験したことが分かった。

授業では、こうした実態を紹介し、コラムが、そのいずれとも
異なる大人の視点で書かれていることに気付かせ、
それぞれの立場について、各班で話し合ってもらった。

子どもたちからは、蠅の蝶に対するうらやましい気持ちと、
その表し方への疑問が次々と語られた。
「相手の悪い点を改めてもらいたいなら、ふつうに注意すればいい」、
「相手の悪いところが気に入らなくて、いじめることがある。
直せるところを直せば、被害にあわない」、
「両方悪いところがある。集団でやるからいじめになり、
一対一ならけんかですむ」

様々な声が出る中で、「うらやましがって人を傷つけるのではなく、
自分の持っているものを磨いていく生き方をしたい」という
女児の意見に、多くがうなずいた。
児童たちは、それぞれの立場を自分に投影して考え、
成長に結びつけることができたようだった。

「道徳の副読本だと、現実の問題とは少し離れる場合もある」、
関口修司校長。
「その時々のテーマを元にした新聞コラムだと、
自分に起こりうる出来事として切実感をもって学習できる」

 ひとの心を傷つけて
 喜ぶ心さびしき者に
 聞く耳はなかろうから、
 中傷された君に言う。
 蠅たちの集まりでは、
 蝶も「キモイ」と
 陰口をたたかれるだろう。
 心ない者たちのうちにも
 自分と同じ美しさを探しつつ、君はひとり、
 大人になればいい。
 (2008年4月17日の編集手帳より)

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100528-OYT8T00230.htm

0 件のコメント: