(2010年6月9日 毎日新聞社)
脂肪の塊を溶かす働きを持ったたんぱく質を、
宮崎徹・東京大教授(疾患生命科学)らが発見し、
9日付の米医学誌セル・メタボリズムに発表。
このたんぱく質を接種したマウスの体重は減った。
研究チームは、肥満を抑えるやせ薬の候補として、
新薬の開発に乗り出した。
研究チームは99年、白血球の仲間であるマクロファージで
作られているたんぱく質「AIM」を見つけた。
その作用を調べようと、AIMを作れないように操作したマウスを
観察すると、同じ量の餌を与えても通常のマウスより太る。
脂肪の貯蔵庫となる「脂肪細胞」にAIMを加えると、
72時間後に脂肪の塊が溶けて、4分の1の大きさに。
毎週1回0・1mgを接種した太めのマウス(体重40g)は、
高カロリーの餌を食べても、4週間後の体重は5g減ったが、
未接種のマウスでは50gに増えた。
AIMは、脂肪細胞の表面にある別のたんぱく質の力を借り、
細胞内に入り、脂肪細胞自体もできないように作用。
脂肪の塊を溶かす薬剤はすでに開発されているが、
脳への悪影響が課題。
AIMは、脂肪細胞とマクロファージのみに作用し、
体内で作り出されるので副作用の心配もない。
宮崎教授は、「脂肪細胞は、エネルギーを貯蔵する役割もある。
人でのAIMの働きを詳しく調べ、糖尿病や動脈硬化につながる
肥満の解消に貢献したい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/6/9/121411/
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