(2010年7月7日 毎日新聞社)
腫瘍にならない人工多能性幹細胞(iPS細胞)を選び、
脊髄を損傷したマウスに移植、運動機能を回復させることに、
岡野栄之・慶応大教授と山中伸弥・京都大教授の研究チームが成功。
iPS細胞は、さまざまな組織や臓器の細胞になり、
再生医療への応用が期待、腫瘍を作る危険性があった。
米科学アカデミー紀要(電子版)で発表。
研究チームは、マウスの脳にiPS細胞を移植し、
半年たっても腫瘍を作らなかったiPS細胞を選んだ。
次に、さまざまな神経細胞になる神経幹細胞に変化させ、
脊髄が損傷したマウスに損傷9日目に50万個移植すると、
だめになった後ろ脚を使って、歩いたりできるまでに回復。
腫瘍化の可能性があるiPS細胞で同じように実験すると、
運動機能は一時的に回復したが、約5週間後には
脊髄内で腫瘍が形成され、機能も低下した。
岡野教授は、「安全性を厳密に評価すれば、iPS細胞を将来、
脊髄損傷の治療に使える道が開かれた」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/7/7/122530/
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