2010年7月20日火曜日

「日本で看護師」断念の帰国続々…漢字など壁

(2010年7月9日 読売新聞)

EPA(経済連携協定)に基づき、インドネシアとフィリピンから
来日した外国人看護師・介護福祉士候補者の中途帰国が相次ぎ、
受け入れが始まった2008年以降、
計33人(7月1日現在)に上っている。

日本の国家試験突破の難しさなどから、将来の展望が見いだせずに
就労をあきらめた人が少なくないと見られる。

候補者は、これまで998人が来日。
国内の施設で働きながら勉強し、3~4年の在留期間に
国家試験に合格すれば、本格的に日本で就労でき、
そうでなければ帰国するのが条件。

漢字や難解な専門用語が試験突破の壁になり、
合格者は昨年がゼロで、今年は看護師3人のみ。

あっせん機関の国際厚生事業団によると、中途帰国したのは、
今年度来日したばかりの118人を除く880人中、インドネシア15人
(うち看護師12人)とフィリピン18人(同11人)の計33人。
合格率1・2%だった国家試験の合格発表後に当たる
今年4月以降に、中途帰国した看護師が計11人。

こうした問題を受け、厚生労働省は今月、看護師国家試験に使われる
難解な専門用語について、平易な言葉への言い換えなど、
何らかの見直し方法を有識者検討会で集中的に審議。
来月初めにも提言にまとめ、来年行われる
次回の国家試験に反映させる方針。

政府は、「新成長戦略」で、2011年度中に実施すべき事項として、
「看護師・介護福祉士試験の在り方の見直し(コミュニケーション能力、
母国語・英語での試験実施等の検討を含む)」と明記、
外国語による国家試験実施の可能性に言及。

◆看護師国家試験

看護師の免許を取得するための国家試験。
保健師助産師看護師法に基づき、国が年1回実施。
日本の大学看護学科や看護学校を卒業するなどした人のほか、
EPAに基づく看護師候補者も、日本語などの研修を受けたうえで
病院などで就労し、同等の知識、技能があると認められれば
受験資格が得られる。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/7/9/122658/

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